御伽侵略者

@watashiwa

第1話 世界を終わらせたい個/個々

「現実は小説より奇なり。正しいことだ。現実は小説より面白い。これは正しいことか。大半の人にとって物語は逃避手段、現実はクソなんだよ。」

 大袈裟に被りを降った。同時に媒体がこぼれ落ちた。電子のピース、上質紙やパピルスなんかがフケのようにそこらじゅうを漂っている。頭を掻きむしりながら続けた。

「三文小説にも縛りがあるんだよ。面白くなきゃ世に出られない。その点人生はどうだ。面白くもないのに生きて二酸化炭素吐きながら死んでく。人生畳んでやった方がこいつらのためだ。きっと泣いて喜ぶだろ。

 反対できる者はいない。賽は転がった。投げるほどの甲斐性はなかった。

 しかし開幕した。それでよしとしよう。あの偏屈野郎が思考を持ったことに対して万歳しなきゃ。

 

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