珍しい鳥

バブみ道日丿宮組

お題:アブノーマルな鳥 制限時間:15分

珍しい鳥

「そいつはアブノーマルな鳥だな」

「えっ? なにその反応……とても癇に障る」

「それ以外の反応を求められても困るな。だって、それ以外に反応のしようがないんだもの」

「ふーん、そうならいいかな。それで見つけに行かない?」

「見つけたら、お金もらえるんだっけか」

「そう。ツチノコと同じだよ。一攫千金だよ!」

「まぁ……見つからないから、そんなお金がかけられてるんだと思うよ」

「でも、こうやって写真があるなら本当にいるんじゃない?」

「合成写真かもしれないよ」

「政府が出してる写真だよ!? 間違いがあるわけないじゃない」

「いやぁ……政府だって間違えることはあると思うよ。昨今の荒んだ世界情勢はまさに政府によって起こらされたテロリズムともいえる」

「そんなの知らないよ。興味ないもの」

「だから、歴史の点数が上がらないんだよ」

「あんな知識なんて1つもいらないもん」

「その癖現代文だけは高いんだから、不思議なものだな」

「物語はいつだって主人公になれるんだもの。どんどん読むべきだわ」

「あれだって、二次創作の歴史みたいなものでしょ。架空の歴史を読まされてるようなもの」

「そんなくだらないものにしないで! いい、歴史はクソ。小説は神。わかる?」

「なんか地雷踏んじゃったかな……。わかるわかる。そんな怖い顔しなくてもわかってるから……歴史はクソ、小説は神でしょ?」

「そう。わかってるならいいの。それじゃぁこの鳥を探しに行きましょ」

「なにがそれじゃぁなのかはわからないけど、まぁいいか。場所は決まってたりするの?」

「ううん。日本全国で目撃されてるから、そのへんでも現れるかもしれない」

「そんなに出てるなら写真くらい撮られそうなものだけどなぁ」

「最初の写真以外は世にでてないの。それこそ合成写真が出回ったぐらい」

「ふーん。なら、河に行ってみようか。野鳥が結構来るって有名なとこがあるんだよね」

「そこは近いの?」

「電車で二駅ぐらいかな。ちなみにどうして?」

「遠くだったら疲れるし、お金がかかるじゃない」

「発見できたら、お金もらえるんだし、頑張りどころじゃないの?」

「簡単に発見できたら、もうお金なんてもらえないじゃない」

「そりゃそうだ」

「それに遠くはあまり行きたくない」

「どうして?」

「田舎者に見られるのが嫌」

「そんな遠くに行くつもりだったの?」

「都会のが出現率が高いって話なんだもの」

「そっか。まぁその確率はよくわからないけど、まずは近場から探してみようよ」

「うん。じゃぁ行こう」

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珍しい鳥 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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