第7話 初戦闘
初戦闘。
街道から外れ、しばらく行った場所で。
浮遊する、直径2メートル程の球体に遭遇した。
「フローティングボール。一般的な雑魚です。積極的に攻撃はしてこないし、移動速度も防御力も低い……初心者御用達ですね」
飛鳥が解説する。
「異獣に詳しいのですね」
涼風が尋ねる。
「これでも冒険者ですからね。基本的には、自然発生の宝箱や、放置された死骸からのマテリアル回収が生業ですが。終末少女の基礎知識も勉強はしますよ」
飛鳥が答える。
終末少女ではない者でも、実入りの良い仕事なのだろう。
自然発生の宝箱とかあるのか。
「まずはあたしから!」
スルトが、虚空から剣を出し、駆ける。
炎の剣で一閃。
フローティングボールを両断した。
ひゅ
雷の剣に持ち替えて一閃。
もう1体のフローティングボールを両断。
「武器が出現……あれはアイテムボックス的な物か?」
「合っているような……違うような……」
俺の疑問を、飛鳥が否定。
「終末少女は、神器をインストールできます。インストールされた神器は、自身の情報の中に取り込まれ、任意に具現化できるようになります。特に個数に上限は無いですが、あまり情報量が多くなると待機リソース消費が増えるので……神器をインストールすると、MPが減り続ける、と思って貰えれば」
「あまり増やしてもいけないんだな」
「他にも……神器は、使い込む事で成長するので。あまり多くの種類を持つ事はお勧めしないですね」
「スルトは、属性武器を使い分けているみたいだけど」
「1つの武器を拡張して、複数属性にシフトできるようにする方がお勧めです」
なるほど。
「私の銃も、ライフルとハンドガンの2種類の形態になりますわ」
涼風が自慢気に言う。
凄い事なのかな?
まあ便利そうだ。
ざっく
スルトが、異獣の残骸から、赤く光る宝石──マテリアルを取り出す。
昨日貰った物より、遥かに小さい。
「はい、勇者さん」
スルトが俺にマテリアルを渡す。
「ありがとう」
しゅ
受け取ったマテリアルを、マテリアルストレージに格納。
マテリアルは、そのままの姿でも持ち歩けるが。
マテリアルストレージというデバイスに入れるのが楽だ。
誰でも使える神具──一般神具という奴らしい。
持ち運びが楽になるし、数字として扱えるので、分配や支払いに都合が良い。
マテリアルストレージに格納すると無属性になる為、終末少女の強化の時は、マテリアルを直接使用した方が有利な場合もあるらしいが。
冒険で得たマテリアルは、一旦俺に集め。
最後に、半分をPT用に貯蓄、半分を等分するという約束にした。
「次は私ですね」
アルテミスが、前に出る。
「唸れ、斬鉄の煌めきよ!」
竪琴を掻き鳴らす。
銀色の光が発生。
フローティングボールを傷つける。
ゆらり
フローティングボールが向かってくるが、無数の刃が次々と切り裂き。
やがて、力尽きて地面に落ちる。
「……と、解体は任せて良いですか?」
「あいよ」
スルトが解体を始める。
「所持神器は、今使った攻撃用が1種類と、各種強化系が6種、回復系が3種です」
「多いな」
「1つの楽器で演奏を分ける方法も有りますが、最初は難しいですね」
飛鳥がフォローする。
「最後に私も魅せますわ」
涼風が、両手にハンドガンを出現させる。
ガシャン
ハンドガンを合わせると、光に包まれ……ライフルが出現。
「セット」
ライフルの銃口に光が集まり。
「バースト!」
ドウッ
無数の光が射出。
12体のフローティングボールが、墜落、動かなくなる。
すげえ……
「神器は、自らの相棒ですわ。フォームシフトやウェポンスキル、単純な運用方法……理想的には、単独の神器で、全ての戦法を賄うのが理想です」
涼風が胸を張る。
「さあ、スルトちゃん、アルテミスちゃん、好きなだけ倒すと良いですわ」
「ああ」
「はい」
2人が、狩りを本格的に開始。
時節、アルテミスが仕留め損なって接近されるが……涼風が撃ち抜いて仕留める。
解体は、スルトと飛鳥が実施。
神器の残弾がなくなると、俺がマテリアルストレージを使って補修。
そうやって夕方まで狩りを続け、街へと戻った。
################
名前:スルト
LV:8→9
CLASS:1
STR:B
DEX:E
VIT:F
AGI:F
MND:F
MAG:F
スキル:
なし
神具:
大剣:B
################
名前:アルテミス
LV:1→7
CLASS:1
STR:F
DEX:F
VIT:F
AGI:F
MND:D
MAG:D
スキル:
なし
神具:
楽器:C
################
名前:神凪涼風
LV:38
CLASS:3
STR:E
DEX:B
VIT:E
AGI:B
MND:E
MAG:F
スキル:
移動による命中低下補正を0にする。
神具:
銃:A
すべて:E
################
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