第8話 砂漠のドーム都市と・・病(やまい)の魔法使い

「食べ物は 消化の良いものしかあまり食べれない

ジャガイモのポタージュも好きだ 後御粥とかパン粥くらいかな」


「まだしばしは正気の様だが・・ふむ・・」

兄だと言う少年は 微笑んで私を見た。


長い黒髪にエルフのような耳赤と金の瞳、やや吊り目だが、私よりもずっと綺麗な顔

違う種族なのに・・兄妹

「ああ、種族が入り混じったから当然だな どの組み合わせで出るか 不明だよ」

「でも、よく似ているだろう」「・・え、ええ」



砂漠に風が吹く、互いの黒髪も揺れていた。

「いいか、アリサ」


向こうの砂漠を指さす 兄アシャルことアーシュ


「お前には見えないだろうが、あのオアシスの先の西に

ガラスに覆われたようなドームがあって 中に大きな街や畑などがある」


「かなり文明が進化してる あのオアシスも人工的に作れている。

かなりの距離で一度には、今の俺ではあそこ迄 移動、飛べない

昔なら 軽く飛べたのに・・」


「・・飛ぶ?って」私は慌てて聞いた


「魔法で場所を移動出来る」

「もし、途中で俺の気が狂ったら 置いていっていい

何としても 西を目指して ドーム都市まで行くんだアリサ」

ため息をつきながらアシャル、アーシュが言う


助けてくれた・・実の兄だと言う

「い、いやよ!!引きずってでも連れてゆくから お、兄ちゃん」


「ふふっ、あの時と同じだなアリサ

俺達が売られて来た処から 逃げ出した時と・・」


「何それ?どうゆう事なの!」


「・・安心しろ アリサ、お前は客を取らされる前に逃げたから

一年前に先に売られた俺、薬で心が壊れた俺を助けた」


「連中が俺の成長を止める薬も飲ませた

モップでお前は客を倒して俺を助けてから一緒に逃げた時にそう言ったんだアリサ」


「・・きゃ・・客って?そんな」 真っ青になったアリサ


「BL好きなくせに そんなに驚くなよ・・ふふ

死んだのはコミケに行く途中だったな 元は日本人の野崎有佐(のざきありさ)」


「いっ!! 私 そこまで話したの!!!」

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