第2話 茶会の会話

「ではアーシュ様の作られたケーキですわ」女官で白猫耳のルウが切り分け

盛り付けて差し出した「わーい薔薇のケーキね」思わず声をあげてしまう私アリサ


「それに林檎のタタンタルトもショコラケーキもあるぞ」

アシャル兄ちゃんがドヤ顔で言う

「ソリシア様には軽いお酒を 俺の手製です」「果実酒ですね 有難うございます」

微笑みながら女官たちが 私達の会話を邪魔しないように席から離れる


で、今日は茶会しながら歴史の本を読んでる兄ちゃん


それは本の中の絵 

下半身が白馬、姿は麗しい銀髪の美女で剣を持ってる女性の絵


「ああ、こちらの白馬で長い銀の髪の女ケンタウロス(半身半馬)がレグルス

『女戦士』としても『魔法使い』としても強かった」

「こちらはバステイル 古代のエジプトの服と化粧に髪型をした猫耳の少女」


「地球では古代エジプトの神の一人・・猫の女神 片耳ピアスの猫の姿もあるな

俺の方の時空 こちらでは二人が俺を助けた・・天の使い」


「二人の手助けが無ければ 

俺は10年以上 敵に捕らわれ、奴らの麻薬で狂ったままだったから 

王国を取り戻せなかった 圧政に苦しんでいた民も・・」

「それに仲間たちの御蔭でもあるけどな」


懐かしそうに ケンタウロスの女戦士レグルスの絵を見る兄のアシャル


「ケンタウロスのレグルスは豪快で酒が好きで優しかった

時が来て、安息の時間(天界の特別な場所)の中で眠って眠ったままだ

最後まで俺の心配をしてくれた・・。」


「あ!この前来たバステイル様とピアスの位置が左右違う、片耳だけだったよね」

「兄ちゃんの事を心配して 特殊な治癒魔法をしてた」

私にも優しくて いい人だった うんうん 私アリサは思った


「この前来たバステイルは・・違う世界のアーシュの方だ。」

親分肌で『恐怖の鬼瓦』もう一人のアーシュさま・・とアリサは思う


「そうだ、アリサ 恐怖の鬼瓦さま ふふっ」兄ちゃんが笑いながら呟く

「あ、あの兄ちゃん」


「はいはい、つい、アリサの心を視てしまう ソリシア様も笑ってる」

「すいません アリサお母さま 私もつい心を覗いて‥」


「俺の方 こちらのバステイルは 俺の事が不満だ」

お茶を飲みながらの一言 アシャルこと髪が長いアーシュ


「え?」「俺の事を役立たずの『魔法の王』と考えている」


「何故? 兄ちゃんは古代の英雄の王様なのに?」

黒猫耳のついた私、アリサの顔を微笑んで見ている二人


「二千年の戦乱を終わらせた英雄の主役の一人で

一年足らずで 

滅びかけた、もう一つの古代の王国の主、穏やかな片腕のリアン様やアルテイシア・リュース公爵様たちと2つの王国を再建したのに」


私アリサは綺麗で優しくて勝気そうな女騎士アルテイシア姫さまに 

穏やかで淡い金髪をした爽やか系、美形の青年の姿 片腕のリアン様を思い出す


「俺の魔力か・・最終世代、最大の火焔の王で 

精神、幻影、予知などに力を持つ黄金の魔力 昔、以前の話だ アリサ」


「それは以前の話だ 無理もない、俺の魔力の多くが失い、役立たずだ」

「・・・・・・」「アリサ、哀しい顔をしなくていい」


「天界でも地上でも大騒動、世界が滅びる寸前の大事件ばかり起こったから 

頼りの一番の戦力のはずだった」お茶を飲みながら一言


「この前 あちら側のバステイルが

俺の事を心配して彼女に魔法の王としての敬意を示すように苦言を言ったそうだ」


「以前、転生前だ 天界で会った時、まだ狂った状態だと勘違いして

散々悪口を言ったな」

「最初の前世、囚われの俺は敵の奴らの玩具、処刑は免れたが 扱いは散々、

改めて、その事をバステイルの口からは聞きたくはなかったが」

  

「大親友のレグルスを失い黒猫のアラシャの暗黒の力を見てから

 こちらのバステイルは彼女は変わってしまった」


「暗黒の黒猫 アラシャ義父様の魔力を?」

「そうだアリサ、それに向こうの時空世界、暗黒の黒猫娘アシャの絶大な魔力」

「今では俺の代わりに 最大級の火焔の王、もう一人のアーシュがいる」


「もう一人のアーシュ様とは兄ちゃんは仲がいいよね」

「まあね、俺を弟のように思っている」


「バステイルには私も今度、苦情を言おう思ってます」

 アジェンダ王の息子のソリシア王


「いえ、彼女は神の一人であり、稀なる大きな魔力の持ち主

しかも時、歴史を管理する時の番人」


「魔法の王の力に匹敵する力に 全ての時間を管理してる

仕返しに何をするか わからない 

歴史から存在を消して、別の者を王にするなど可能だから」


「俺の事は現世の王国 暗黒の黒猫で王の『アラシャ』がいますから 

どうか気にしないでください」


「俺は今では あいつの情人、最初の前世では赤ん坊 黒猫アラシャのオムツを代えたり、絵本を読んだり、菓子を作ったり・・はあ」

「オムツを代えた相手、黒猫アラシャに好き放題されて」

「俺の友人、盟友のリアン達、義理の親達も黙認せざる得ない状況」

眉がピクピク、長い耳もピクピク 片耳 小さな金の輪ピアスも揺れてるよ


猛攻な熱愛モードなんだよね うん、うん 兄ちゃん料理上手だし

アラシャ義父様はにゃんこ王国の『王様』だもん あ・・可愛い名前の王国


「アーシュ殿、いざとなれば 必ず言ってください

一部の者はともかく、ほとんどの多くの魔法の王達は貴方の味方です」


「貴方の前世代でもある 最大級の火焔の王アジェンダ御父様もついてますから」

「それに恐怖の鬼瓦・・いえ、あちらのアーシュ様も」ソリシア王


「ソリシア様」「アリサお母さまも心配しないでください」


私を安心させようとするソリシア様 いつも優しいの 

流石よね 元、古代王国の王様 戦乱の時代の中、大国の王様だけあるのよ~~~


・・アシャルお兄ちゃんより約300年前 1300年前の古代の王様

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