第35話 駄目駄目・召喚魔法使いと老年の魔法の王二人2


「にやんこ族の少女である可愛いエイルの様子を心配して見に来たの!

義勇団から引退したのに また軍に入って戦ってるから


ヴィシャント王国とにやんこ王国の戦争で両親を失い 

ただ一人 この異界にいるからね!

あの戦争は 僕の狂気の父が引き起こしたものだから・・黒猫のアラシャ」


「へ・・・?」デイアル


「よくある話だよ 敵の王が 戦ってる相手の王国の綺麗な王女を

浚って 好き放題するなんてね…乱暴されて出来たのは僕


母は天使の様な人だった 


家族や婚約者を殺した男の子供を愛する事が出来るだから


まあ 僕を産んだせいで早くに亡くなったけどね 

何せ 妊娠したのは未成熟な未分化で13歳だったから・・」

肩をすくめるアラシャ


「・・・過酷な過去があったですね・・」思わず同情するデイアル


「まあね・・ああ、父親は狂気の魔法の王の転生した者だったから

強くてね 僕が殺したんだ くすくす とても楽しかったよ

手足を落として芋虫みたいだった 

それから焼きながらゆっくりと殺した ふふふ」


「・・・・」何も言えずに沈黙して

黙ってる皆さま


「何か文句でも? 

僕の半分は自分の叔父や子供を惨殺した狂王の血が入ってるし

僕は愛するお母さまやお母さまの家族に一族の仇取っただけだよ


それに苦しめられた にやんこ族の仇だから


ふふ・・前世はね 奴は二人のアーシュ様の祖父でもあったんだ

くすくすっ」

とても怖い笑顔のアラシャ


「まあ・・アラシャよ 後で噂の店に行こうか?


わしも例のスライムの蜂蜜漬けに 

本場の虹色麦酒にクリスタル冷酒などを

飲みたい」フェアアイン


「ああ、私もだ」

フェアアインとヴァルーダがアラシャの肩をポンポンと優しく叩く


「はい、そうですね」優しい笑顔を見せるアラシャ 

思わず 安心する義勇兵の皆さま


「あれ・・そろそろ魔法弾が到着する頃なのに気配もない」

「ですねえ」

「ふむ 変だな」 「そうですね」


「おやああ?父王にフェアアイン様にアラシャに

デイアルではないか!」


「ヴァルちゃん・・」「ヴァルさまああ」

エルフの可愛い女の子や男の子を連れた

魔法の王の一人 女王ヴァルジニテだった・・


そして後からにやんこな魔法使いエイルもついて来てる


「おや、愛する最愛の我が娘 ヴァルジニテよ 

可愛い女の子や男の子を連れてるではではないか

ふふふ・・で ここで何をしているのかな?」

穏やかな笑みで問いかけるヴァルーダ


「ああ、エイルや店のエルフちゃん達の頼まれた仕事をしただけだ

我が愛する父王 ふふ」


「・・ん?仕事 まさかヴァルジニテ様・・」

青い顔をする黒猫のアラシャ


「ああ、したが何か? 

我が孫レンの相手の暗黒の黒猫アラシャよ

それに大事な大事な・・我らの子孫の最後の王アーシュ殿まで手に入れた暗黒な黒猫


・・綺麗で好みだったのはわかるが

病で弱ってるからと好き放題しおってからに・・まったく


この地方の全ての都市に街に村に山河も狂気の者とか

言う馬鹿者の魔法機雷の攻撃から守った

魔法機雷を消し去ったが?


まああ・・実は以前の戦争も少し手伝ったが・・くすくすっ」


「ちょ・・ちょおおおおとおおヴァルジニテ様ああ!!!」アラシャ

尻尾とか毛が全て逆立ってる


「・・すいません」エイル 

「だってええ 私たちの故郷のエルフの里が・・」

店のエルフの女の子たち 何度も頷くエルフの男の子


「・・仕方ないのおお 相変わらずじゃ ふおおふおお」フェアアイン

「・・・娘よ それは・・時の番人達の小言が持ってるぞ」ヴァルーダ


「もちろん 黙ってくれるよなああ 父王にアラシャ

アラシャにとって 私は義理の祖母だしいい

我は父王にいっぱい貸しがあるうう ぐふ


父王は貴族達の子供や奥方、女官の為に何度も燃えさかる城などから

彼等を救い守り通した 優しい人だ・・ふふ


それに 正義感の強いフェアアイン様は

死なずに済む者達や美しい山河が

焼き尽くされ破壊されるは見たくないだろう?


何せ フェアアイン様は 狂王となったアジェンダ殿の宿敵 

子孫である白の宗主シューツオンに

故郷の美しい森や湖に街の住人達も焼き尽くされ灰燼にされた

悲しみがあるから」


にっこりと笑うフェアアイン


「そうだ・・さすがはヴァルジニテ女王

滅ぼされる寸前の黒の王国を救った救世主・・ふおおふおお

あ奴は我の故郷だけなく 自国の他の街や住人も灰燼にしおった

シューツオンめは 寄りにもよって

史上二回目の平和条約を踏みにじり 戦争を再び始めた

 

罪もないアジェンダ殿の16歳の妹を手籠めにして 

その首を斬り 城門に晒しおった


(実は天界から見ていて 王女はとても、お気に入りで

 更にはお気に入りの子孫の一人ヴェントレ 王女はシューツオンの異母弟ヴェントレの恋人だった)


史上一回目の平和条約は破られ悲劇となったが

ヴァルーダ殿がなされたな・・


それに貴方でなく並みの魔法の王なら

とっくに黒の国は滅ぼされていた 持ちこたえたのは貴方の手柄」


「はいフェアアイン様 お褒めの言葉有難うございます」 


「我が愛しい娘ヴァルジニテよ そなたがいなければ 黒の王国は滅ぼされていた

私は薬師として疫病と戦い ある程度は勝利した

「が・・内乱の数々と戦争で追い詰められいた どうにか持ちこたえていたがな

全く仕方ない子だな ふふふっ」ヴァルーダ


「いいですけどね もう」頭を抱えるアラシャ


「じゃああ!!酔っ払い天使の店で酒と飯だ

エイルにエルフの可愛い子達に


ああ・・デイアルに その仲間たちも来るいい

大勢で楽しむのがいい


そうだ!父王にフェアアイン様 温泉にも明日行かないか?」

仕切るヴァルジニテ


「うむ それは良い」 「そうだな 我が娘よ」


「はあ・・・」義勇兵の皆さま

「はいはい・・全く この人は・・」ブツブツと文句を言うアラシャ


「はあい ヴァルジニテ様 うふ」エイル

「うふふ はあい ヴァル様ああ」エルフの子達


こうして店での果てしない大宴会の酒盛りが始まろうとしていた

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