第34話 駄目駄目・召喚魔法使いと老年の魔法の王二人1
「ええええ!!!隊長マジですかあ!!
僕 ぶち殺されるのも 焼き殺されるのも 全身の骨砕かれるのも嫌ですううう」
償還魔法使いデイアル 完全に泣きモード
「本気だデイアル あの気が狂った者は もう幾つもの街や村を破壊した
僅か数日で 幾つもの都市が壊滅した」隊長
「これは新たに王国を樹立した我らグラン王国だけでなく他の王国も被害は甚大だ」小部隊の隊長は神妙な面持ちだ
「・・あの時空を飛ぶ事が出来る 異界の魔法の王達とやらに
尽力して貰えるならば デイアル お前の身代わりに私が殺されてもいい」
「・・・実はここだけの話 あのにやんこの魔法使いイリン・エイルを助けるべく
一度だけ、他の者達に内密にすると約束させられて
魔法の王の一人が戦の最中に助けてくれたんだ」
「指さしただけで
機械のモンスター達が砕け散り敵をあっと言う間に焼き殺した」隊長のエルグ
「あの・・僭越ながら 暗黒の黒猫の美少女アシャ様か
髪の短いもう一人のアーシュ様を償還されてはいかがでしょうか?
あの二人はデイアルに悪感情がなく
エイルの話によると 世話好きな親分肌のようです」
「あるいは火焔の女王ヴァルジニテ様なら 新しくリニューアルした
『夜の蝶の店』に連れて豪遊して頂くとの約束したなら
簡単にこちらの条件を飲んでくれます」
「ヴァルジニテ様のお気に入りの店のエルフの子達がいるそうですから
デイアルの事も何故か気にっていたようです」女騎士リル
「ああ・・ヴァルジニテ様 あの完璧なプロポーションの
赤い瞳のくせ毛の黒髪の豪快な美女
両刀使いだそうで 男女関係なく気に入ってました
お酒もとても強かったですううう とても 優しかったですうう」
デイアル 嬉しそう
「・・国の行く末を図る戦争には協力出来ないと言われたが
今回は違う 一人の狂気の者が 都市を破壊して人々を虐殺してる事だ
希望的観測だが 救援は望めるかも知れない
せめて この街と近隣の都市だけは 奴の魔法の爆弾の攻撃から
守りたい」
隊長エルグ
「いざとなったら私が身代わりとなる 頼む償還魔法使いデイアル!!」
「はい!!」隊長がいざとなったら身代わりとなる確約されたので
心おきなく償還魔法を始めるデイアル
結構 ひどいかも・・・
異界の美少女たちに レン 償還したらとんでもない事になる
暗黒の黒猫アラシャ 髪の長いアーシュ アジェンダを覗くと
慎重に呪文に織り込む
出来ればアシャかヴァルジニテか髪の短いアーシュか
無理なら 誰か好意的な魔法の王に・・と呼びかけの呪文を更に織り込む
少しデイアルも成長したらしい?
そして・・ボン!!出現したのは・・
日本茶と和菓子を手にした
白いひげの御老体と同じく年配の黒ひげの男性だった
白いひげの御老体の耳は
猫の形に似て あのリアンやエイルと同じ者だった
いわゆる白の者
黒ひげの男の耳は アーシュやヴァルジニテと同じ長いエルフのような耳
瞳の色は黄金でも火焔の赤でもなく 青が混ざった淡い緑色
黒の者・・・
何故か ほわふわ、のほほんと言う表情で頭に小さな花が咲いてる
「はて?どなたかの?我らはにやんこの者達とお花見をしながら
茶を飲んでいたのだが・・・のう、風の王ヴァルーダ殿 ふおふおっ
この梅羊羹は美味しいのう やはり緑茶が良いのおお」
白髪、白髭の御老体
「そうですね 始まりの白の宗主ファアアイン様 ふふふっ ふふ」
風の王ヴァルーダと呼ばれた 黒の者の頭の花がまた数本増えた・・・
すごく冷たい目で隊長エルグ達はデイアルを見てる
はっきりと目が言ってる なんでこんな年寄り達を償還した?
どうする気だと・・・
「あの~僕がこの大陸の救援の為に
力ある異界の魔法の王を償還したのですが・・
女王ヴァルジニテ様や髪の短いアーシュ様に暗黒の黒猫の美少女アシャ様とか
ああ・・そうだ一人の方の耳はエイル様やリアン様と同じですね
あ!国の行く末を決める戦争の為ではありません!
狂気の者が この大陸を滅ぼそうとして 幾つもの街などを破壊したのです
はい・・・どきどき」デイアル
「ふむ・・我らの時の法を熟知しておるの それに
皆を知っているとは・・・
ああ・・話に聞いた事がある
ダメダメ償還魔法使いデイアルかな?
私は白の宗主フェアアインだ
創世の時代 初代の白の宗主・・始まりの白の宗主とも呼ばれてる
リアン殿達は私の子孫だ」
「ふむふむ・・女王ヴァルジニテは私の娘だ
世話になったと聞いている ふふふふふ
私は火焔の赤や黄金の瞳の者達よりも戦闘能力は高くないが
そこそこ戦えるかも知れぬな・・ふふ
生前は古代の中期の時代 アジェンダ殿やアーシュ殿達よりも
5百年以上、前の世代になる
どちらかいえば 治癒の方が得意だ
長年 幾つもの疫病退治や戦場での戦闘だけでなく治癒も担当した
・・・後で有益な薬草などを捜してやろう 私は薬師でもある
ああ、自己紹介がまだだった 私は黒の王の一人で風の王ヴァルーダだ」
ヴァルーダ、頭のお花が揺れて せっかくの決めた?クールな場面が少し台無し・・
「大掛かりな事は 今回は、やはり時の法に引っかかる可能性があるゆえに
ここの街と近隣などの数か所に限定させてもらえると有難いのだが・・」ファアアイン
「・・・分かりました それだけでも有難いです 有難うございます」
エルグ
そこに一人の戦士が慌ててやってきた
「大変です!街に戦争が終わり森の奥に違法で廃棄された
モンスター達が襲いかかって大騒ぎとなっています!」
「なんだと!」隊長エルグ
「救援要請を出されるかな?」フェアアイン
「あ・・はい しかし御老体なのに」
「心配はいらんよ これでも最後の白の宗主リアン殿との
練習試合で引き分けや勝った事もあるゆえな・・ふふふ
まだまだ現役だ 時空の仕事を頼まれる事も多い
・・並みの魔法の王達には引けは取らん ふおおおふぉお」
自信たっぷりのフェアアイン
「ああ・・あちらから来たようです
始まりの白の宗主フェアアイン様」ヴァルーダ
オーガ達が街の者達に襲い掛かろうする
か弱い女性や子供達が捕まり 大騒ぎとなっている
他にもゴブリンに鋼鉄製のゴーレム達・・
「では始めるか」そう言うやいなや途端に戦闘に入る二人
素早い動きで 次々と魔法の剣で敵のゴブリンやオーガを切り倒し
囚われた女性や子供をあっと言う間に救い出す
「次は鋼鉄のゴーレムか ふおおおふぉ」フェアアイン
「はあ そうですね」
またしても何故か消えていた頭のお花が出現してるヴァルーダ
のほほんとした表情がとても緊張感がない・・
「白き聖なる光!敵を焼き尽すがいい!」フェアアイン
「風の矢! 風のかまいたち!」ヴァルーダ
白い光に焼かれ あるいは風の矢に射抜かれ
かまいたちに切り刻まれる
「・・・・ちょっとお二方 僕の獲物が一匹もいないじゃないですが
それに こんな異界で何をしてるんです?」
いつの間にか突然現れた暗黒な黒猫アラシャ
「・・・・・なんで また居る訳なの?ダメダメ償還魔法使いデイアル
まさかと思うけど お二方を償還したの?
創世の時代の大長老のフェアアイン様に
僕のレンちゃんのひい御爺様のヴァルーダ様
全身の骨を粉々にして、切り刻みながら焼き殺すよ」
とても怖い顔で睨む
「えええ?ひい御爺様?」泣きながらパニックを起こすデイアル
「あの!私がデイアルに頼みました 責任を取り身代わりになります
どうぞ やってください
その代わり 国の戦争でなく 狂気の者が起こした災害から救ってください
時の法には触れないはずです! この近隣だけでも良いですから」
悲壮な形相のエルグ隊長
「・・・・・・・」アラシャの黒耳としっぽがピクピクとしてる
やぶ睨みがちで 顔も何か言いたげである
「これこれアラシャよ 我らは気にしてないから
困ってる者達を救わねば」ヴァルーダ
「そうじゃ アラシャよ・・」フェアアイン
「・・・ヴァルーダ様は善王ですからね・・
フェアアイン様もとても正義感強いし
はいはい分かりました
全く!お前 本当に悪運だけはあるよデイアル
二人の魔法の王を怒らせて
暗黒の王の僕も怒らせて 無傷でいるなんて・・」暗黒な黒猫アラシャ
「ところで何で 此処にいるんですかああ?」
隊長の影に隠れながらデイアルが聞く
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