第33話 温泉トレニア

「ふう~温泉はいい 戦いで疲れた体が軽くなって ほかほか~」

償還魔法使いデイアルは嬉しそうに言う


「・・・女性陣は 水着か・・」友人の戦士エレク


「当然じゃないですか!」戦士ミリアは さも当たり前と言わんばかりに言う


「格安の湯は 共同なのよね・・ああ あの特別湯の小屋に入りたい

熱い遠赤外線の岩があって、温泉の湯も特別で、花びらも浮かんで・・


宿代込み、豪華食事つき高いのよね 岩の上で体もポカポカ


使うのはお金持ちか新婚さんぐらい」


絶景の滝ミウンも見える 森に囲まれた秘境の湯トレニア


花々が咲き乱れとても美しい場所

「誰か 小屋を使ってるみたですね」エルフの少年で弓使いのアドルが言う


「僕、エルフだからよく聞こえるんです ぐふ!!」


「新婚さんかな~家族かな~うふふ」

「アドル ちょっと・・」女魔法使いアリアが 冷たい目で見る


「あ!!デイアル ちょっとおおお!何覗きに行ってるの!」

「いいじゃないですか・・へへへ」いやらしい顔で嬉しそうに覗くデイアル


そして小屋の中では

「ねえ!髪洗ってえ!うふ」 「ん!わかったレン」

「僕のアーシュ様 僕も背中洗って欲しいです うふふ」

アラシャの黒猫耳がピクン しっぽがパタパタ


「勝手に一人で洗え黒猫のアラシャ そこにブラシでもタオルでもあるだろう」

ツンケンドンに言われる

「ひどーい 僕のアーシュ様 くすん」黒猫耳の少年が悲しそうに言う

「背中も洗うから じっとしててレン♪」

にこやかに自分と同じ種族の少年に微笑む アーシュと呼ばれた黒髪の長い髪の少年

耳が長く 赤と金のオッドアイ 

実は黒猫耳の美少女アリサの兄だったり・・今の名前はアシャル 

もう一人同じ名の双子のようなアーシュもいたり


もう一人のレンという少年は金と青の瞳で 髪は肩より少し長い程度

「はあ~い うふふ」レン

こちらの同種族の二人はとても仲がいいようだ


「いい加減、ご機嫌直してくださいよ~もう」拗ねて黒猫アラシャが言う


「・・ふん 仕方ないな ほら背中を洗ってやる 髪もか?」アーシュことアシャル

「うふ~有難うございます うふふ」とたんにご機嫌モードのアラシャ


「で・・今日の御馳走はなんだ?アラシャ」


「お刺身の盛り合わせに キノコのアベージョ 

ほうれん草とお肉の煮込み料理 川で取れるカニとエビの豪華料理

鴨と野菜と香草のミルク煮 サラダ各種・・

アーシュ様用に 消化のいいのも特別注文してますよん

後 リンゴの炭酸ジュースとリンゴのコンポート」


「そうか 有難うアラシャ」嬉しそうにアーシュが言う


やっぱり好きな食べ物(リンゴ)で釣るのがいいですね うふふ

こっそり心の中で思うアラシャ


「あらら 兄弟? でも一人は種族と違うわよね」

小声で言うミリア


「三人とも美形よね~特に耳の長い二人 美少女にも見える顔立ち

うふふ」アリア


「そうだな 美形だ」エレク うんうんと頷くアドル

結局 全員が覗きに来てる


「・・・・」黙って青くなり沈黙してるデイアル

逃げ出したいが 固まって体が動かない状態


「ここの温泉はどうですか?

『酔っ払い天使の酒場』の店主に勧められて来てみたんですけど」

アラシャが二人に聞いてみる


「悪くない とても心地いい 

自然の風景も綺麗だ あの滝がいいな」湯に浸かりながらアーシュ


レンは同じく隣で湯に浸かりながら うんうんと頷いている


「アーシュ様 うふふ」アーシュを間を挟むようにアラシャが隣に来る


「こらアラシャ!お前の尻尾で俺の耳をくすぐるんじゃない」

「うふふ・・」今度は両手でアーシュの顔をそっと包み

自分の顔を近ずけてゆく


「き・・きゃああ!!キスよ!キス!!」「おお!」

覗いてる皆さんは大興奮


デイアルは 目を見開き固まったまま


アーシュはにっこりと微笑み 悩殺的な艶ぽい笑みを浮かべる


「!!!」周りは赤くなりながら その様子を見てる


だが いきなり軽く睨むと アラシャの尻尾をむんずと手にして

そのまま アラシャの尻尾を思い切り噛んだ!!


「ふぎゃああああ!!」アラシャの悲鳴

「ふん!じゃあ 先に上がるから

ご飯が冷める前にお前も来い黒猫」冷たく一言


「レン 上がるぞ」にこやかに微笑む 「はあ~い」レン

「ひ・・ひどいい あうう」涙モードのアラシャ


「つ・・ツンデレ?」覗いてる皆さん


「ほら 早く来ないかアラシャ ご飯が冷めるだろうが」

アーシュ


「くすん くすん ううう」珍しく黒猫のアラシャは落ち込んでいるようだった

「・・まったく 泣くなよアラシャ」


髪の長いアーシュはアラシャの涙を舐めて 頬に軽くキスをした

「・・・アーシュ様 うふ」嬉しそうに笑うアラシャ

「早く来い!」 「はあ~い」


「・・・・・・・・・・・・」

赤くなって みなさんは 彼等を見送った


ほのぼのとした秘境での温泉トレニアでの出来事なのかも・

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