第30話 魔法王とにやんこな魔法使いの戦場  4

「有難うございます あ、仲間たちは?」イリン・エイル


「ちょっと危ないね 君の部隊は全滅寸前」アラシャ


「そ、そんな!!」イリン・エイルが真っ青になり 涙ぐむ


「僕は 今、時の番人の仕事をしてるから

戦争とか国の運命がかかわる事には 特に関われないんだ

でも・・・」ちらりとアーシュたちの方を見る


「・・俺は病気持ちだから 番人の仕事から外されている

まあ 小さい部隊一つ助けるだけなら バレないから ふふ」アーシュ


「あ・・」エイル

「今回だけだよん エイルちゃん うふふ」アラシャ



「行くぞ レン エイル!」三人の姿がアラシャの前から消える


「もうだめだ!!」「魔法使いが数人死んで 治癒魔法の司祭も死んだ もう手がない」

「囲まれた 離脱不可能!!」「深い傷の怪我人だらけで どうすれば?ああ!」


「みんな!!」イリン・エイルが突然 空中から現れる

「え・・イリン・エイル!!」「ゾンビじゃない だが確かに埋葬したはず」


イリン・エイルの白い猫耳と尻尾がパタパタしている


「・・生き返らせた 今回だけ特別だ」

長い黒髪 長い耳の赤と金の瞳の少年が後ろから現れて そういった。


「なんだと!!」


「・・エイルを帰す しかし 一度イリン・エイルが死んだ事やこれから見る事は

上には報告するな沈黙を約束しろ 二度と手は貸さないが この場を離脱させてやる」

軽く睨みながら 赤と金の瞳の少年が言う


「・・わかった約束する」


「よし レンは怪我人を治癒するんだ」 


こくりと頷く彼に よく似た少年 同じ種族で 瞳は金と青

次々とレンがすべての怪我人を手をかざして癒してゆく



「アーシュさま」エイル


「心配しなくていい 今度にやんこ王国で会おうエイル ふふ」


ふわりと体が浮き アーシュは左手を指さす

爆発が次々と起こる 敵の岩のゴーレムたちが砕け散る


「炎の巨兵達 我が命に従え 我は最後の黒の王 火焔の王 火竜王

アーシュラン 敵を踏みちぎり 焼き払え!!」


大きな炎の巨人たちが出現して それぞれ敵のオーガなどのモンスターに攻撃を始める

敵の兵士たちは モンスター達を盾にして 逃げ出す


やがて 巨人達は炎の海となり 敵のモンスターと共に燃えてゆっくりと消える


「じゃあ またなエイル 帰るぞレン」アーシュとレンは笑って消え去った


二人を見送り 部隊の隊長は叫ぶ


「戦線離脱する!」「はい」エイル達は戦場を後にする

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