第2話 にやんこな子供達 デンジャラス
「きゃああ!!大きなキメラの怪物だああ!!」
巨大な大蛇数体と四つ足の化け物が混ざったキメラ
片方が黒い羽で、もう片方の羽は白
大きな尻尾もある
それに二階建ての建物のほどの大きさの大蛇に
ワニに似て 角やトゲが沢山生えたモンスターに
昆虫の羽のあるトゲのある巨大ムカデが多数・・
ムカデが緑色の毒液を吐き 数人の義勇兵がその毒液を浴びてしまう
苦しむ彼らに 仲間の者は癒しのヒーリングの呪文をかけてる
そして にやんこな子供たちも癒しの呪文をかける
「アーシュランの一番目の妻 愛らしき白き天使
黄金の髪と青い瞳と琥珀の瞳のオッドアイ
白の国の王女 癒しの女神エルトニア姫
そして残念過ぎな 呪われた料理の作り手の姫君!
二番目の妻 水の女王アルテイシア姫
その力により加護を 彼らを癒してください!!」
光と空中から現れた水に包まれて 毒がみるみる消え去る
魔法を沢山使ったので 子供たちの何人かは座りこみ
ぐったりとしている
「ヒーリング!」年老いた魔法使いが回復の呪文を唱える
「ほら これを飲んで 回復薬(ポーション)だよ
回復するから・・」女盗賊の娘が薬を差し出す
「有難うございます」にやんこな子供たちが嬉しそうに礼を言う
「いや 礼を言うのはこっちだよ ありがとさんね」
ウインク1つ
「・・しかし残念過ぎる呪われた料理の作り手?って何」
闘いの合間ではあったが 彼女はつい聞いてしまう
「元敵国の御姫様で 大恋愛の末に夫のアーシュさまと結ばれた
エイル(エルトニア)様は
愛らしく心優しい天使のようなお姫さまなのですが
夫のアーシュ様が料理の天才だったのに
妻の彼女の料理は とても不味過ぎな上 その料理を食べると
お腹を下して 悪くすると ひと月はトイレに住む羽目になったといいます
夫のアーシュ様も仲良しだった2番目の妻のアル様も
従兄で白の宗主だった片腕の王リアン様も
残らずに被害にあったとの話です
しかも薬も癒しの魔法も効かないんです
癒しの女神さまだけど・・
僕たちが悪い事やいたずらとかで
お母さんに怒られる文句の一つに
『エイル(エルトニア)様の料理を食べたいの!』
って怒られるんです」
「そう・・」冷や汗たらり
そして戦いの方は
義勇兵の魔法攻撃や剣や弓矢の攻撃で
モンスターたちは少しずつ数を減らしてゆくが
まだまだ 沢山いる
「僕らも頑張るよ!!」
「うん!」
「白のエルトニア様 その呪われた料理を
あのモンスター達に食べさせて!!」
毒々しいドス黒い紫や緑色の焦げたパイが沢山表れて
モンスター目掛けて無数に飛んでゆく!!
そのパイが顔にあたり パイを舐めるなり すごく苦しそうに暴れる
ワニ(もどき?)やムカデのモンスター達
やがてピクピクと痙攣して動かなくなる
「おお、気を失ってる! 今のうちに止めを刺すか!ええい」
剣で戦士たちが次々とたたき斬る
「あの大物のモンスターを倒すよ!」
にやんこな子供たちが手を繋ぎあい うなずき合う
「創世の時代 最初に出現した火竜王(サラマンデイア)
火焔の王イシュトバーン様
救世主たる火焔の女王ヴァルジニテ様 伝説の火焔の王アジェンダ様
最後の黒の王 火竜王 火焔と黄金の王たる二人のアーシュラン様
本来のさだめを辿ったアーシュ様 囚われたる嘆きの時を過ごしたアーシュ様
その力を示したまえ!!」
炎の巨大な柱が大蛇たちを飲み込む
他にも黄金色の炎が地から沸き上がり
ぐるぐると無数の蛇のように巻き付き燃やし尽くす
「おお!!」「すごいぞ お前たち」
「すまぬが・・少し気になってな
ずいぶんと沢山 火焔の王がいるのじゃな
それと今 二人のアーシュ様といったが?」年寄りの魔法使いが尋ねる
「黒の王族の中から 火竜王たる火焔の王は現れました
古代の2千年の戦乱の時代を終わらせる為に出現したのです
沢山 火焔王はいますが 歴代でも有名なのは
悲劇の最後の黒の王アーシュラン様
アーシュ様の時代から300年前の伝説の火焔の王アジェンダ様
沢山の偉業をなしましたが この方も悲劇的な死を遂げました
救世主となった麗しき火焔の女王ヴァルジニテ様
とても明るく豪快な方です
創世の時代に初めて現れたのはイシュトバーン様といわれます」
「ふむふむ」
「で・・二人のアーシュ様は 違う2つの時空に存在してます
違う運命をたどりました
ですが、どちらのアーシュ様も2千年の戦乱を終わらせた英雄です
偶然 時空が混乱する出来事があって 二つの世界は交わりました
僕らの方のアーシュ様は違う本来の運命から逸れた方です
14年間に敵に捕らわれて 惨い目にあいました
普通 古代の魔法の王様は幽体として転生せずに
天界におられるのですが
僕らのアーシュ様は狂った神の呪いにより
転生され 無数の残酷な辛い人生を数えきれない程送りました
また転生され 今は暗黒の猫・にゃんこ王国の王でもある
アラシャ様達が守っておられます
呪いのせいで 心や体をボロボロにされた為に
身体が弱く 療養中です 魂もです 弱ってます」
「本来なら 僕ら側のアーシュ様の名前を
呪文に織り込みますが 僕らのアーシュ様はそのような状態なので
身体や精神に響き とても負担をかけるので
非常時以外は使いません
僕らは あの方に属するので本当はそちらの方が威力があります
普段は もう一人のアーシュ様の名前を唱えます」
「ふむ なるほどな」
「これが二人のアーシュ様の写真です うふ」
子供の一人が嬉しそうに写真を見せる
「長い黒髪のエルフのように長い耳の片方に小さな輪の
ピアスをしてるのが 僕らの方のアーシュ様
髪が短く 僕らのアーシュ様より目つきが悪い・・
というか鬼瓦のように吊り上がってるのが
もう一人のアーシュ様です
僕らの方のアーシュ様は成長を止める薬を最初の前世で飲まされた影響で
少年の姿で亡くなり 今もその影響があります
もう一人のアーシュ様は天界で少年の姿になったそうです」
「見事な絵じゃな・・美しい古代の服装
長い髪の方は おぬしらと同じ服装と古代の衣装か
赤い方の瞳がとても美しい
それに なんというか長い髪の方は こう言ったらなんだが
美少女のようじゃ 二人も妻がいると思えない」
「あの・・二人の妻がいるのはもう一人の髪の短い方です
僕らの方は 囚われた14年の後 敵を倒しましたが
14年間の敵の扱いが酷すぎて 同じく囚われていた妹姫様共々
病気になりまして
エルトニア様とアルテイシア様は白の宗主リアン様の妻になりました」
「あ、写真上げますね うふふ」
「おお!!そうか有難う」
「ちょっと あんた達!!まだ親玉が残ってんのよ!!」
「あの・・すいません 僕らはもう限界です
ごめんなさい」にやんこな子供たちは申し訳なさそうに言う
「そんなあああ!!どうすんの!
ぎゃああ!! またモンスターの大群よ!」
先程のワニもどきやムカデもどきに
巨大アリ達に ミミズの化け物のよう巨体がいる
ミミズの方は牙の生えた口がある
「ファイアーボールうう」「アイスボール!!」
剣や魔法攻撃で敵を倒すが 段々と追い詰められてゆく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます