孤島の修道院にて

アデレード

　そうですわ、尼僧長さま。あの写真はわたくしです。画像を自分で掲示板に張り付けたのも、もちろんわたくしで御座います。誰かに脅されたとか、そんな事情であんな真似をしたのではなくて、自分の意志で自主的に行ったことですから、そのあたりのことはご心配無用でしてよ。

　なんでそんなことをしたのかって？　欲求不満が溜まっていたからに決まっているじゃありませんか。言わずともあなたが一番よくご存知のように、わたくしは品行の悪さを咎められて行儀見習いでここに入れられているだけの、自分で言うのも何ですけれど貴族の御令嬢のわがまま娘ですわ。こんなところの暮らし、退屈で飽き飽きしているに決まっているじゃありませんか。

　もちろん、これが初めてではありません。あんなところに晒したのは初めてですけれど、撮影自体は初めてやったのは三か月くらい前ですわ。やっぱり礼拝堂で撮影して、最初の一回については昔からの男友達にこっそりと秘密の手段で送りましたの。手紙だって全部検閲されてしまうんですから、他に方法はないじゃありませんか。

　それでそれからだんだん、わたくしの古い友人の要求は少しずつエスカレートしていきましたわ。三か月かけて、やれもっと色っぽいポーズをとれとか、ちょっと尼僧長には申し上げかねるような内容のことを要求されたりですとか、そういう風になっていきましたの。

　ああ、重ねて申し上げますが、別にその男に要求されたからあんな真似をしたというわけではありません。流石に、言われるがままに撮影を続けるのは発覚の危険もありましたし、結局、直接画像を送ったのは最初の一回を合わせて三回目まで、それきりでございました。それ以降は、一度覚えたスリルが忘れられなくて、匿名で匿名の場所にひそやかに公開していたのです。

　でも、あの日は違いました。覚えてらっしゃいますよね？　わたくしは昼間些細なことで尼僧長からお説教を受けたことを恨みに思いましたので、その日初めてヴェール以外の全てを脱いで撮影を行い、そしてそれを公の場所に掲示するという挙に出たのです。

　さて、それでわたくしをどうします？　罰をお与えになりますか？　それとも、実家に突き返しますか？　実家の家族はわたくしの存在にうんざりしておりますから、どうせまた別の修道院に放り込まれるだけでしょうけど、わたくしの実家からの寄付は少なからぬものがあるのでしょう、それを考えるとあだやおそろかな処置はできないですよね？

　あはは……あはは……あははっ……。