第7話 大貴族 ヴァンティエール家
ある程度予想はしていた。
前にこのことで考察したことがあったけど、その時も俺んち金持ち~とかいう結論に達していた気がする。
(しかしなぁ、辺境伯家みたいな大貴族だったとは・・・)
残念なことに、ここで「えっまじ!大貴族の息子!?人生勝ち組じゃ~ン♪」と思えるほど俺の頭の中のはラベンダー畑じゃない。
『
これがあるからこそ、貴族は貴族であれるし、その義務を放棄すれば即暴動だ。税を
しかし、その舵取りをすることが容易でないことは自明である。と、積み木でお城を作りながら俺は思う。
この積み木は「半年誕生日だ」と父上に貰った。なんだ半年誕生日って。
いろいろな形がありながらも一つ一つ丁寧に作られ、塗装されているのが分かる。
そして、積み木を入れる箱には、これまた精巧な黒いオオカミの彫刻が彫ってある。
―――かっこいい。
さすが貴族、子供のおもちゃ一つをとっても洗練されていて品があるように感じる
遊ぶ手を止めふと、斜め右上を見ると最近ずっと俺のそばにいるハッツェンと目が合う。
じーーーーー・・・←俺氏
ニコっ♪ ←ハッツェン
(かわいい)
先ほど俺は、うちがヴァンティエール辺・境・伯・家であると言ったがあくまでも辺境伯家(仮)である。
こう推測できたのもこのハッツェンのおかげである。
曰く、うちはアルトアイゼン王国の北西の辺境に位置し、王都アイゼンベルクから馬車で3週間ほど離れているらしい。(ちなみに、1週間は7日で順番に闇・火・水・風・土・光・無の日となっているらしく、それを4回と残り2日安息の日と呼ばれるものを足して1月となる。へ~)
曰く、ヴァンティエール辺境伯領はアマネセル国とエテェネル王国、魔の森と隣接しているらしい。詳細はさすがに一介の侍女であるハッツェンは知らないようだが、アマネセル国とは戦争中、エテェネル王国は永久不可侵国、魔の森は魔物が巣食う森(まんまだな。てか魔物いるんだ)ということだ。
なんかかっこいいバリアを展開しそうな国は置いといて・・・
そう、今うちはアマネセル国と戦争中らしいのだ。俺も聞いたときはファッ!?ってなった。ただ、戦争といっても色々あるらしくて、うちとアマネセル国の間で起きているのはにらみ合いや小競り合いの程度だ。しかしここ数年その均衡のようなものが崩れかけてるっぽい。その原因は知らんがそれに加えて魔の森もあるというではないか。と、積み木でロケットを作りながら俺は思う。
うちは結構危なっかしい場所にあるのかもしれない。
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