038 第十五話 ラミアのダンジョン 01
「
― ボシュッ
「おお出た!」
俺は
光球体が聖なる輝きを放ち、燦々と大理石作りのダンジョン内を明るく照らす!
「うっひょーー!まさか俺が魔法を使う日が来るとは!」
俺は嬉しくて、またしても小躍りする。そんな俺を見てアリサは苦笑いする。
いや苦笑いするなし。借り物とは言えこの俺が魔法を放ったんだぜ!?一緒に喜んでくれよ!
しかしアリサは無視をして――
「
― ボシュッ ボシュッ ボシュッ ボシュッ
今度はアリサが
「さすがに一球だけじゃね。さあ、進みましょう」
そう言ってアリサはズンズン奥へ進み始めた。
「かなりの迷宮だな。それにやたら奇麗すぎる」
俺はコテリと首を傾げた。
地下一階層こそ、経年劣化で痛んでいたが、その下の階層以降はピカピカに手入れが行き届いているようだ。
広い総石造りの通路に、所々石柱が高い天井を支えている。
「ねえケンツさん、気付いてる?」
「何をだ?」
「私達、このダンジョンに入って1時間以上経つのに、いまだに魔物と遭遇していないわ。ううん、魔物だけじゃない。虫やネズミ、コウモリだっていない……」
そうなのだ、このダンジョンには俺達以外は何も存在してないかのように何もいない。
どうにも悪い予感がする。
「俺も気にはなっていた。あまりいい感じじゃないな」
ダンジョンの奥深く侵入して、魔物と出くわさない場合、大抵は悪い理由がほとんどだ。
ボス級が巣くっているか、かなり強い魔物の一群が巣くっているかだ。
「アリサ、気を付けろ。どう転んでもこのダンジョン、良くないモノが巣くっているぞ」
「わかってる……」
俺達はさらに下の階層に降りていく。
マッピングデータによると、ここはもう地下五階のはずだ。
「大広間みたいですね」
アリサの言う通り、ここはかなり広い空間で、天井を支える石柱の数も多い。
「 ! 」
「どうした?」
アリサが何かを見つけて駆け寄った。
「ケンツさん、このダンジョンは当たりだわ」
「なんだって?どうしてわかるんだ?」
「これよ」
アリサは剣を抜き、落ちていたものをひっかけて俺に見せた。
「なんだそりゃ……まさか蛇かトカゲの脱皮した皮か!?」
爬虫類的な脱皮した皮、しかもかなり太く長い!
「トカゲじゃねーな、大蛇か?」
「おしい、ここ見て。この皮には人間の手と顔の部分があります」
「え?うぇ、気持ち悪い!なんだこりゃ!?」
言われてよく見れば、確かに手や顔の部分もある。いったいこれは何だ?魔物なのか?
「これ、レッサーラミアの皮よ。このダンジョンにはレッサーラミアが巣くっているわ!」
レッサーラミア――
たしか亜人ラミアの下級種か近縁種と言わる魔物だ。人間と猿のような関係みたいなものか。
下半身は蛇だが上半身は生乳(なまおっぱい)を晒した美女という素敵な魔物だ。
「レッサーラミアはラミア遺跡を好んで巣くっている魔物よ。きっとこのダンジョンは湖の島に行けるんだわ!」
アリサの表情が俄に明るくなる。
「ケンツさん、これからはゆっくり進みましょう。左右背後はもちろん上からも気を付けて下さい。レッサーラミアは音も無く忍び寄り、視野外から奇襲をかけてきます!」
「おお、詳しいな。もしかして以前にも遭遇したことがあるのか?」
「ええ、半年ほど前にラミア神殿に入った時、レッサーラミアと遭遇した私の想い人が犠牲になりました」
アリサは、思い出したくもない事を思い出したのか、眉間に深くシワを寄せる。
「ケンツさん、心して聞いて下さい。レッサーラミアは身体に巻き付き、大きなオッパイに顔を埋ずめ、意識朦朧にしてから連れ去ります!」
「なんだって!?」
オッパイに顔を埋ずめる!?なんだその御褒美!!
あれか、俗にいう伝説のパフパフ!
「その後はレッサーラミアに魅了されて彼女達の僕(しもべ)にされるか、彼女達の体内に新しい生命を宿らせるための種馬にされてしまいます!」
「種馬!?新しい生命!?」
おおう、まるでゴブリン被害みてーだな。
しかしゴブリンと違ってレッサーラミアは総じて美人揃いの爆乳揃いと聞く。
しかもこっちが孕ます側か!
これは後学のために一度くらい魅了されてもいいかもしれんな。
ぐふふふふふ……
― ふっ ――
「だから絶対にレッサーラミアのオッパイに目を奪われないで!」
「…………」
「ユーシスもそうやってラミアに魅了されたことがあって……て、聞いてます?ケンツさ……!?」
返事のない俺に、少し苛立ちながらアリサは振り向いた。
そしてアリサは絶句したのだった。
*
― フワッ……
アリサの話をフンフンと聞いていた俺の前に、それは突然降って来た!
爆乳でありながら美乳のオッパイ!
「うぉ!目の前に生オッパイが!?……あむっ!?」
― ぱふん
俺は不覚にもオッパイに心を奪われてしまい、次の瞬間にはオッパイの谷間に押し付けられ深々く顔が沈んだ!
「ふむ!?むぐぅぅ!?………………ふにゅぅ……」
顔全体が包み込まれ、張りがあるのに柔らかい至高の感触!
― ビクン、ビクン……
そして俺は、レッサーラミアの心地よい胸の谷間の中で、至福を感じながら酸欠で意識を手放した。
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