第13話 新王誕生


「私は・・・今でもマルタス様をお慕いしております。」

 両手で顔を覆い嗚咽をあげながら泣きじゃくるミザリー。

 ・・・思った通りじゃな。

 本当は別れたくないのじゃ。

 寧ろあの場でああ言えば直ぐに止めてくれると思っておったに違いない。

 しかしマルタスはオロオロするばかりで何もせんかった。

 ミザリーの気持ちを考えてくれなかったのじゃ。

 試すような真似をしたミザリーも多少は悪いかもしれん。

 じゃが、元はと言えばマルタスがワシにあんなことを言ったのが原因なのじゃ。

 100%マルタスが悪いじゃろう。

 未だ泣いておるミザリー。

 そしてゆっくりと口を動かした。

「10歳の時、初めてマルタス様を見た私は恋に落ちました。こんな素敵な殿方と夫婦になれればどんなに幸せだろうと。幼いながらに思っていたのです。そして、その気持ちはこの歳になるまで変わることはありませんでした。15歳の時、マルタス様と婚約出来てとても嬉しかったのです。恋が実った。そう思いました。でも・・・」

 そこまで言うと、ミザリーは涙で濡れた目でワシを見た。

 その瞳は深い嫉妬の色に沈んでいる。

「貴女が・・・貴女があの人の心にはずっといる。貴女を見るマルタス様の瞳。あれはまるで恋に無邪気な少年のよう。悔しい・・・私が貴女より前にマルタス様に出会っていれば・・・貴女より前に私に恋をしてくれていたら・・・貴女が・・・貴女があの人の心を奪ってしまったから!私はいつまでもあの人の一番になれない!こんなに想っているのに・・・やっと夫婦になれたのに・・・私は・・・形だけの妻のまま・・・こんなの・・・本当の愛じゃない・・・本当に欲しかったものじゃない!私はマルタス様の心が欲しい!本当の意味で愛されたいの!」

 言うだけ言って座り込み、号泣するミザリー。

 う~む。

 気持ちはわからんでもないが。

 ワシは悪くないよな?

 それにマルタスの心を奪った覚えなど無いぞ?

 ミザリーは勘違いしておるようじゃが、マルタスと前王はただの女好きじゃ。

 実際アオイにもキサラムにも、ましてや幼いキロイにもやらしい目を向けていた程じゃからな。

 うむ。

 最低な奴じゃの。

 従ってワシだけを責められるのはどうにも納得がいかん。

 しかし・・・

 今のミザリーは誰かのせいにしなければ心が持たんのじゃろう。

 ならば受け止めてやるか。

「すまんな、ミザリー。そればかりはワシにもどうにもならん。まあ魔法で何とかしてやれんこともないが、そういうことではないのじゃろ?」

「・・・はい。」

 ワシならスキルや魔法を使えば何とでもなる。

 例えばワシとの出会いの記憶を消去したり、心を操ったりと、ある程度のことは出来るのじゃ。

 じゃが・・・

 想いまではどうにもならん。

 仮にマルタスの記憶を消したとしよう。

 しかしどこかで偶然ワシに出会ってしまったら想いが沸き上がり、結果として元の木阿弥になってしまうのじゃ。

 それに気付いているのかいないのか、ミザリーは魔法の力を頼ろうとしない。

 きっとそんなことで想いを遂げたいのではないのじゃ。

 ともあれ玄関前で話すことでもなし、ワシ達はミザリーの自室へと転移した。


 ・・・


 ・・・


「綺麗なお部屋ですねぇ・・・って言うかぁ生活感が無いですねぇ。」

 煌びやかな室内は、確かに人が暮らしてきたという感じではなかった。

 これは・・・

 ミザリーが家を出た後、『現王妃の使っていた部屋』として見せ物ように改装したな。

 まあ別によいが・・・

 ミザリーは少し寂しそうな顔をしておるぞ?

 折角実家に帰ってきても、自分の居場所はもうないと言われているように感じたのかもしれんな。

 不憫じゃの。

 ワシは哀れみの目でミザリーを見た。

「・・・ミザリーさんん。あなたはどうしたいんですかぁ?このままぁ離婚してぇいいんですかぁ?悔しくないですかぁ?」

 アオイはミザリーの前に立ち、そう問う。

 確かにアオイのいう通りじゃ。

 今回のことはミザリーが悪いわけではない。

 泣き寝入りするのは面白くないのう。

「私は・・・もうどうでもよいのです。このまま国外に逃げようともこの国で処刑されようとも。私には・・・これからの人生を謳歌する気力はありませんから・・・」

 生気の無い瞳でそう答えるミザリー。

 フゥ・・・

 これは困ったの。

 これでは救い出したとしても自ら命を絶つ恐れもある。

 どうしたものか・・・

 ここは助っ人を呼ぶかの。

 ワシは強制的にバシルーをこの場に転移させる。

「えっ!何々!?ちょっと!私今食事中!」

 椅子に座った状態のまま、スプーンと皿を持ったバシルーがワシに文句を言ってきた。

 確かにそれは悪かったの。

 食事は大事じゃからな。

「おお。これはすまんかった。食べ終わるまで待っててやるからさっさと済ませよ。」

「ありがとう。ちょっと待っててね。ちゃっと食べちゃうから・・・じゃないよ!この雰囲気で食べられるわけ無いでしょ!」

 バシルーは小気味良いノリ突っ込みをしつつも周りの空気を察したらしい。

 取り敢えず手に持っていたものと椅子をダークボックスにしまうバシルー。

 そしてミザリーの顔色を見て、何となく事の経緯を理解した。

「ミザリーちゃん。マル君と何かあったんだね・・・聞かせてくれる?」

 優しくそう語りかけると、バシルーはそっとミザリーを抱き締めた。

 そのバシルーの行動は、まるで娘を思う母のような温かさがある。

 ミザリーは何も隠すことなく、自分の今の気持ちをバシルーに伝えた。

「叔母様・・・私・・・私・・・もうダメです・・・夫婦なのに・・・マルタス様の心は私に向いてくれていないんです。あの人の心にはずっと魔女様がいる・・・こんなに想っているのに・・・もう・・・疲れました。」

 ミザリーはバシルーの胸に顔を埋めて泣きじゃくってしまう。

 どんなに泣いても、いくらでも涙が止まらんようじゃ。

 そんなミザリーをバシルーは申し訳なさそうに見つめておる。

 それはそうじゃよな。

 甥っ子がしてしまったことじゃ。

 責任を感じてしまうのはわかる。

 じゃが、納得がいかないのはワシだけではなくアオイもじゃった。

「グズ男はですねぇ、ミザリーさんのぉ前でぇ主様にぃ関係をぉ迫ったんですぅ。最低でぇ最悪ですよねぇ。死ねばいいのにぃ。」

 思い返しただけでも腸が煮えくり返ると言った顔をしておるアオイ。

 いや、ミザリーの前で死ねばいいのには無いじゃろ。

 まあその通りなのじゃが。

 バシルーは物凄く驚いた顔をしておるぞ?

 たぶん、アオイがマルタスを手にかけなかったことを不思議に思っておるのじゃろう。

 実際には怒りが頂点を越えてしまったが故、思考が停止してしまったからマルタスは命拾いをしただけなのじゃがな。

 本当に運がいい奴よ。

 ・・・

 さて、どうするかの。

 一つ考えておることがあるんじゃが・・・

 ・・・

 うむ。

 その為にバシルーを呼んだのじゃから考えを先に進めるか。

「バシルーや。そなたに言っておくことがある。駄目だというかもしれんが・・・ワシはアサワハヤイ王国を一度潰そうと思うのじゃが・・・」

「いいよ。やっちゃって。上司には私から言っておくから。」

 ワシの台詞を聞き終える前に国を潰すことに同意してくるバシルー。

 おお?

 まさか二つ返事とはな。

 身内にはあれだけ寛容だったこやつがどういう風の吹き回しじゃ?

「こんないい子を泣かせるような王族じゃもうあの国もおしまいでしょ。弟とマル君の命まではとらないっていうんなら、国自体滅ぼしちゃっても構わないよ。何なら・・・私がやろうか?」

 闇の神特有スキル『闇の覇気』をアサワハヤイ王国全体に放つバシルー。

 う~む。

 やってもうたか。

 もう準備もへったくれもないの。

 それにどのみち実際にはバシルーにやってもらうつもりでおったからな。

 狼煙としては丁度よいかもしれん。

「うむ。そうじゃな。そなたに任せよう。ワシはもうマルタスの前に姿を現すつもりはないからの。まずはこの国の王族と貴族を全て集めるのじゃ。そしてこう言うがよい。『この国を今から潰そうと思う。だがこちらとしても無駄な血が流れるのは本意ではない。現国王は退位、現貴族は爵位を返還。そして新国王としてミザリーを即位させれば命だけは勘弁してやろう』とな。」

 これを聞いて真っ先に驚いたのはミザリーじゃった。

 それはそうか。

 言ってなかったからの。

「ま、魔女様。ど、どういうことなのですか?」

 動揺が隠しきれん様子のミザリー。

 バシルーも目を開いて驚いておるが、アオイとミドリコはウンウンと頷いておる。

 マルタスに悪い印象しかないアオイ達にとっては王位交代は在るべくして当然だと思っておるのじゃろうな。

 おっ、そうじゃ。

 アオイとミドリコにも手伝ってもらうか。

「どうもこうも今言った通りじゃ。そなたがこの国を出ていく必要はないし処刑されることもない。そなたがこの国のトップになるのじゃからな。明日から新国王として頑張るのじゃぞ。アオイ、ミドリコ。そなた達もこの二人に同行せい。言うことを聞かん貴族どもは死なん程度であれば適当に刻んでよいからの。」

 そう言ってワシは未だバシルーの側におるミザリーの元まで行き、その肩に手を置いた。

 ん?

 震えておるのう。

 緊張しておるのか?

 じゃがその理由は直ぐにわかった。

「でも・・・私・・・王なんて・・・」

 どうにも自信がないといった様子のミザリー。

 なるほどの。

 自分には資質が無いとか民を導いていけるか不安だとか色々考えておるのじゃろう。

 じゃがな・・・

「しゃんとせい!」

 ワシは渇を入れる。

 ビクッと反応するミザリーとバシルー。

 いや、バシルーには言っておらんのじゃが。

 近くにいすぎてビックリしておるようじゃ。

「そなたは自分が思っておるよりも優秀な女じゃ。もっと自分を信じろ。そなたなら出来る。それに資質でいうなら今の王族にこそ無いじゃろう。あやつらは血筋とか言う曖昧なものにしがみついておるだけで国を動かす力など殆どないのじゃ。勿論象徴として血統が大事な事もある。しかしの、国を動かす本当の力は国の民達の力なのじゃ。そして王とはその民達の力を伸ばし、借りる事が出来る者のこというのじゃとワシは思う。貴族にしても同じじゃ。領民の信頼を勝ち得ておる領主は、自分一人では領地を豊かにできないことを知っておるのじゃ。他人の痛みを知り、自分の事のように考えられる。無論無慈悲にならねばならんときもあるじゃろう。そういった時、その折り合いをつけねばならんのがトップの役目なのじゃ。」

 ワシは持論をミザリーに説く。

 近くで聞いていたアオイはまたしてもウンウンと頷き、バシルーはポカンとした顔をしておる。

 そしてミザリーは・・・

 憑き物が落ちたような顔をワシに向けた。

 更に続けるワシ。

「それにそなたが王になればマルタスは王配となる。つまり、マルタスよりも上の立場になるということじゃ。それはそなたの思い描いたマルタスにとっての一番となる近道でもある。いつまでも自分を卑下するな!そなたがマルタスに相応しくないのではない。マルタスがそなたに相応しくないのじゃ。ならばあやつをそなたに相応しい男にそなた自身がすればよいではないか。そうじゃろ?」

 ワシの言葉に目から鱗が落ちた様子のミザリー。

 やっとわかったかの。

 どちらかと言えば、いや、はっきりとわかっていることじゃが、ミザリーはマルタスには過ぎた女なのじゃ。

 なのにマルタスは王という立場にあぐらをかいて他の女にも手を出そうとした。

 許せん行為じゃ。

 因みにアサワハヤイ王国には側室制は存在せん。

 従ってマルタスの行いは王国の法に触れておるというわけじゃ。

 王族がそんなことをしておるような国じゃぞ?

 滅んで当然じゃよな。

「・・・わかりました。その命令、従わせて頂きます。私がこの国を・・・より良き方向に変えてみせます。そしてマルタス様・・・いえ、マルタスを支配いたします!」

 決意に燃えた瞳を見せるミザリー。

 いや、マルタスを支配?

 どういうことじゃ?

 ・・・まあよいか。

 本人にやる気が出たわけじゃしの。

 後は行動に移すだけじゃな。

「ではバシルーよ。頼んだぞ。見事ミザリーをこの国の女王にするのじゃ。」

「わかったよ。任せといて!」

 ワシの言葉にバシルーは親指を立てて応える。

 うむ。

 まあ闇の神とアオイ達がおれば、最悪力ずくで何とかなるじゃろう。

 ワシは四人がバシルーのスキルで転移したのを確認した後、自分の家に帰って結果報告を待つことにした。


 ・・・


 ・・・


 六時間後


「いやぁ~痛快でしたぁ。」

 陽も暮れ、家の灯りが森の闇に抗う頃。

 転移の指輪を使い帰ってきたアオイは、開口一番で満足げにそう言った。

 ミドリコはアオイのを腕の中で眠っておる。

 ほう。どうやら成功したらしいの。

 今回ワシは千里眼を使っておらん。

 じゃからどういう経緯で話が纏まったのかを知らんのじゃ。

 まあ敢えてそうしたわけじゃが。

 だってそうじゃろう?

 傲慢な貴族共が集まっているのじゃ。

 きっと罵詈雑言の嵐じゃったに違いない。

 それをもし見てしまったら・・・

 我慢できずワシが直々に制裁を加えに行っておったかもしれんからの。

 それではバシルー達に頼んだ意味がない。

 じゃからワシはこやつらを信頼し、結果報告を待つことにしたのじゃ。

「その様子なら上手くいったようじゃな。ご苦労じゃった。」

 ワシは労いの言葉をかける。

 するとアオイはニンマリ笑みを作り、ワシの座っている二人掛けのソファーの空いている方に腰を下ろし話始めた。

「あのですねぇ、スッゴくぅ面白かったんですよぉ。まずぅバシルーさんのぉスキルでぇ強制的にぃ城の広間にぃ王族とぉ貴族をぉ転移させた後ぉ有無を言わさずぅバシルーさんはぁそいつらのぉ体の自由をぉ奪ったんですぅ。確かぁ影縛りでしたっけぇ?あのスキルぅ便利ですよねぇ。」

 どこにそんな笑える要素があるのか。

 アオイはご機嫌にケラケラ笑いながら話続けた。

「それでですねぇ。案の定ぉ連中はぁ汚い言葉をぉ使ってきたんですぅ。それはもうぅここではぁ言えないくらいのぉ下品な言葉でしたぁ。だからぁバシルーさんはぁ私にぃ言ったんですぅ。こいつらぁちょっと黙らせてってぇ。」

 ここでアオイはキャキャキャと爆笑する。

 おい。

 今の話のどこでそんなに笑えるんじゃ?

 まあ取り敢えず黙って聞いといてやるが。

「許可をもらったぁ私はぁ張り切っちゃいましたぁ。張り切りすぎてぇやり過ぎちゃいましたぁ。まずぅ伯爵だかぁ何だかっていうぅおじさんのぉ手足をぉ細切れにしてぇ、男爵とかいうぅ変態顔のぉ男のぉ腸をぉぶちまけてぇやったんですぅ。あぁ、勿論ん絶命する前にぃ回復魔法でぇ治しましたよぉ。それでですねぇ、次にぃ侯爵の男のぉ目玉をぉ・・・」

 アオイは貴族達にどれだけの責め苦を味わわせたかを楽しそうに話し続ける。

 ワシは頭を抱えた。

 どんな精神状態なのじゃこやつは。

 きっとバシルーもミザリーもドン引きしていたに違いない。

 っというよりそんな話はどうでもよいのじゃ。

 問題はどうやってミザリーを女王にすることを納得させたかじゃ。

 一通り残酷なことを話終えたアオイは、やっと本題に入った。

「でぇ、もうぅ逆らう気力を失ったぁ王族やぁ貴族達にぃミザリーさんはぁ高らかにぃこう言ったんですぅ。私がぁこの国のぉ王になるってぇ。そしてぇ光の神にぃ加えてぇ闇の神もぉ信仰するぅ国にするってぇ。ミザリーさんはぁバシルーさんをぉ尊敬してるんですねぇ。」

 当時のことを思い出したんじゃろう。

 アオイは遠くを見つめ、ミザリーに代わって誇らしげな顔をしておる。

 うむ。

 それは良いことじゃな。

 しかし、それを奴等が納得するとは思えん。

 きっとまだ何かあったのじゃろう。

 そしてやはり思った通り・・・

「でもぉグズ男とぉ前王以外のぉ人達はぁ納得がいっていない顔でしたぁ。なのでぇ、私はぁ指示される前にぃもう一回ぃ同じことをぉしたんですぅ。逆らうとぉどうなるのかぁ体でぇ覚えさせてぇあげたんですねぇ。今度はぁ回復魔法をぉギリギリまでぇ使わずぅ痛みをぉ植え付けてぇやりましたぁ。そしたらぁ納得してくれたんですぅ。いやぁ、まさにぃ阿鼻叫喚でしたぁ。私のぉ好きなぁ言葉ですぅ。」

 またしてもここでキャキャキャと笑うアオイ。

 おおぅ・・・

 とんでもないの、この娘は。

 最近こういうことが無かったせいか、溜まっていたものが爆発したのじゃろう。

 同情はせんが気の毒ではあるの。

 まあしかし、無事にミザリーが即位したようじゃな。

 これで一件落着じゃろう。

 後はどうミザリーの思い描く国を立ち上げていくかじゃ。

 その辺はバシルーがいれば大丈夫かの。

「あぁそうでしたぁ。バシルーさんんミザリーさんにぃ『闇の腕輪』っていうぅマジックアイテムをぉ渡してましたぁ。これがあればぁいつでもぉバシルーさんとぉ連絡がとれるってぇ。優しいですよねぇ。ミザリーさんのことをぉ本気でぇ守ってあげたいんだなってぇいうのがぁ伝わってぇきましたぁ。」

 ほぅ。

 闇の腕輪とな。

 あれは希少な一点物じゃ。

 それを渡すとはの。

 アオイの言うように、ミザリーはバシルーに愛されておるようじゃ。

 もしかしたらバシルーはミザリーを娘のように思っておるのかもしれん。

 ならば・・・

 もう大丈夫じゃろう。

 バシルーは面倒臭がり屋じゃがやるときはやる女じゃ。

 アサワハヤイ王国はこれから更なる発展を遂げることじゃろう。

 さて・・・

 何やかんやあって昼食を抜いてしまったからの。

 流石に腹が減ったわい。

「ミザリーはもう大丈夫じゃろう。これからはバシルーからちょこちょこ情報を得られるしの。してアオイや。ワシは腹が減ったでの。食事を用意してくれんか。」

 腹の虫が鳴くのを我慢し、ワシはアオイに料理を頼む。

 もう夕食というより夜食の時間じゃ。

 あまり重いものは所望せんが、アオイならその辺はわかってくれるじゃろう。

 勿論アオイは快くワシの指示に従ってくれる。

「わかりましたぁ。直ちにぃご用意しますねぇ。食料フードぉ。」

 早速スキルを使い、料理を出すアオイ。

 ざるそばと漬け物か。

 思った通り、軽めの料理を出してくれたようじゃな。


 

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