ことぶきをいやしと思はば寝る間をもをしみてことを為すべけむかも

【読み】

ことぶきをいやしともはばぬるまをもをしみてことをなすべけむかも


【語釈】

ことぶき(寿)――①慶事をことばで祝うこと。また、そのことば。ことほぎ。ほぎごと。祝言。②いのち。よわい。また、いのちの長いこと。長命。寿命。③めでたいこと。いわい。また、そのいわいの儀式。現代では、そのときに、祝儀袋などに書く文字をもいう。 ④祝いの品。[精選版 日本国語大辞典]


べけむ――……に違いないだろう。……できるだろう。……がよいだろう。平安時代は漢文訓読的な文章に用いられ、「べけむや」の形で反語の意で用いられることが多い。[デジタル大辞泉]


【大意】

ながく生きることをいさぎよく思わないのであれば、寝る間をも惜しんでなにかを成すのがよいだろうなあ。


【付記】

周知のとおり、兼好(1283頃-1352頃)はその著書『徒然草』において、40歳には往生したい旨の主張をしている。現代の医者などが聞けば眉をひそめそうな発言ではある。

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