クレイジーマッド映画ジャーニー

「探検隊の栄光 」(コメディ)

　かって、日本のTV番組には「川口浩探検隊」、「藤岡弘探検隊」という世界に存在する秘境を冒険し、幻の秘宝や未知の生物を探す探検番組が放送されていました。

　しかし、時代の変化か、このような探検番組はスッカリなくなりました……。

　今回紹介するのは、そんな「探検隊シリーズ」を熱く描いた作品です。

「探検隊の栄光」(2015　日本　91分)

監督 　山本透

脚本 　徳尾浩司、金沢達也、山本透

原作　荒木源著　「探検隊の栄光」

出演　 藤原竜也、ユースケ・サンタマリア、 小澤征悦

　幻の三つ首の大蛇・ヤーガを探す番組に出演することになった低迷気味の俳優、杉崎(演：藤原竜也)。

　彼は全然やる気がないのだが、ヤーガを探す探検隊の隊長として、ジャングルを冒険することになる。

　しかし、出てくるモンスターや度重なるトラブル、謎を握るジャングルの住民達はすべて、スタッフが用意した仕込みであり、ちゃんと台本も用意されていた。

　このチープすぎる仕込みの数々に戸惑う杉崎。

　だが、彼はプロの役者。隊長として番組のため、仕込みだとわかっていながら、全力でジャングルを冒険するのであった。

　正直この映画、全体的にグダグダなんですが、川で作り物のワニと戦う藤原竜也が反則レベルで面白い。

　川の中。作り物のワニに飛び掛かる藤原竜也。

「お前は一体なにが目的なんだ！！」

　作り物のワニとの激闘の最中、何故か急に服を脱ぎだす藤原竜也。

　裸になった藤原竜也は、作り物のワニと向かい合う。

「これで、お前と俺は対等だ……」

　言葉の意味はわからないが、凄い自信だ。

　彼はそう言って、また作り物のワニに飛び掛かる……。

　激しい戦いを繰り広げる藤原竜也と作り物のワニ。

　……わけがわからないよ。

　とにかく、このシーンだけで私は大爆笑した。

　そして、中盤。やる気がなかったはずなのに、(作り物の)ワニとの激闘の末に覚醒した藤原竜也隊長は、この番組をバカにした人々にブチギレる。

「俺がなにを言っているのか、わからないだろう？俺だってわからねぇよ！！」

　とにかく、この映画、藤原竜也が反則的に面白い。

　また、いい大人たちが本気でくだらないことに命をかけている姿がグッと来る。

　傍から見たら非常にくだらないことであっても、本気で夢中になって、なにかをやろうとする姿は最高に素敵だと私は思う。

　今ではもう探検隊番組がなくなったので、探検隊に馴染みがない方にはピンと来ない作品だと思いますが、藤原竜也が反則的に面白いので、藤原竜也のファンの方にはオススメの映画です。

　ちなみに、藤原竜也と(作り物の)ワニとの激闘シーンだけ、5回ぐらい繰り返して観ました。