「ヤバすぎファミリー 毎日がパラダイス」(ブラックコメディ)

 クスリ、ダメ絶対。


「ヤバすぎファミリー 毎日がパラダイス」(2008 カナダ 99分)

監督、脚本 マイケル・メルスキ

出演 スティーヴン・ヤフィー、ジョン・コー、ウォレス・ランガム


 この映画の主人公である少年、クイン。彼の家庭は異常だった。

 なんと、両親が自宅で大麻を大量に栽培。妹は売人。

 クインの家は、大麻で生計を立てているのだ。

 そんな普通ではない家庭のため、クインは学校に通うことが出来なかった。

 普通でありたいのに、普通になれないジレンマを持ったクイン。


 そんな彼の家の前に、一人の少女が引っ越してくる。

 クインは彼女に一目惚れ。

 恋心が芽生えたクインは彼女と一緒に学校へ通うため、普通の一般人として生きようと決意するのであった。

 異常な家庭に生まれた少年が、普通になろうと葛藤するブラックコメディ。



 普通。

 そもそも、「普通」ってなんだ?

 普通の基準や定義って、なんなんだ?という哲学的な部分は置いておいて、とりあえず、自宅で大麻の栽培やってる家族は少なくとも普通ではないです。はい。


 そんな家の中で大麻を栽培している異常な両親と妹が居ながらも、普通であろうとするクイン。彼は惚れた女の子のために本気で普通になろうと、一生懸命、努力します。

 そして、そんな息子の姿を観て、徐々に考えを改めていく両親と妹。

 だんだん、クインの努力が報われ始め、女の子との仲が深まっていく展開は微笑ましかったのだが、衝撃の大ドンデン返しが……。

 そもそも前提からおかしかったんで、そりゃあ、そうなるよな……。


 終盤。この大ドンデン返しにより、クインは切ない結末を迎える。

 それは、ちょっぴり切なく、甘酸っぱい青春の1ページだった……。





















 ……と思ったのに、ラスト数分で二度目の大ドンデン返しが起きる。

 これで、余韻が吹っ飛ぶこと間違いなし!

 なんじゃあ、ありゃあ!!?


 カエルの子はカエルだったか……。


 普通じゃない家庭で普通になろうと葛藤し、そもそも普通とはなんなのか?を考えたりと、テーマ的には良かった。

 主人公には共感出来たし、ほんの少し家族愛、切ない恋があって良かったんだけど、この映画のジャンルはあくまでコメディだから、ああいうオチにしたのだろうか……。


 とりあえず、クスリ、ダメ絶対。

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