「ホラーマニアvs5人のシリアルキラー」(スプラッター/コメディ)

「ホラーマニアvs5人のシリアルキラー」(2020 カナダ 101分)

監督 コディ・キャラハン

脚本 ジェームス・ヴィルヌーヴ

出演 エバン・マーシュ、アンバー・ゴールド


 ホラーが好きすぎて、どこか空回りしているホラー雑誌の記者・ジョエル。

 気になる女の子とルームシェアをしているのだが、向こうからは異性として見られず、悶々としていた。

 ある晩、同居人の女の子がハンサムなイケメンの車で帰ってきた。

 ジョエルは嫉妬心から、そのイケメンを追って酒場へ。そこで、やけ酒をしてしまい、酔いつぶれてしまう。


 目が覚めると、酒場には異様な雰囲気の男女数名が集まっていた。

 場の空気に飲み込まれ、その会合に参加してしまうジョエル。

 だが、話を聞いていくと、この会合に参加しているのは本物のサイコキラー達だった。


 冴えないホラーマニアの青年が、本物のサイコキラー達が集まる会合に参加してしまうホラーコメディ。

 登場するサイコキラー達は、ジェ○ソン、レ○ター博士など、様々なホラー映画の殺人鬼たちをオマージュしている。


 序盤、本物のサイコキラー達の前で、主人公がサイコキラーのフリをしている時が面白かった。嘘がバレないかというスリルもあり、ハラハラドキドキした。

 しかし……。嘘が途中でバレてしまい、主人公はサイコキラー達の中に紛れていたサイコキラー専門の殺し屋お姉さんに助けられ、そのまま血生臭いバトルへ。

 そして、主人公はただの傍観者に……。


 ただの青年がサイコキラー達の集まりに居るという状況だけでも面白かったのに、主人公の特徴であるホラーマニアという設定があまり活かされず、ただのバトル物になってしまったのが惜しいところ……。

 そのバトルシーンも、ほとんど殺し屋お姉さんに見せ場を奪われてしまってたし。

 多少は主人公にも見せ場はあるものの、なんというか、美味しいところを美味しく活かせなかったホラーコメディだった。


 しかし、好きな女の子の安否が気になって仕方がない主人公に対し、殺し屋お姉さんが言ったセリフがなかなか良かった。


「相手の気持ちを、無理矢理、自分と同じ気持ちに変えようとしない」


 なかなかグサッと来るセリフだった。キラーなだけに。

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