「バッド・マイロ」(スプラッター/ブラックコメディ)

 今日は下品な映画を紹介します。血に加えて、汚物とかそういうのが苦手、嫌いな人は飛ばして下さい。


「バッド・マイロ」(2013 アメリカ 85分)

監督・脚本 ジェイコブ・ヴォーン

出演 ケン・マリーノ、ジリアン・ジェイコブス


 家庭のことから仕事のことでストレスが溜まりすぎて、胃腸がおかしくなった男・ダンカン。

 実は彼の腹の中には、謎のモンスター「マイロ」が生まれていた。

 マイロは自我を持っており、ダンカンの尻……の穴から出てきては、次々とダンカンにストレスを与える人間を次々と始末していくのであった……。


 ケツから出るモンスターなので汚ない。流血ありでグロい。人間関係が醜い……どこをとっても最低映画である……が、B級ホラーとしては良し!

 あの、B~Z級ホラーが全盛期だった70~80年代を彷彿させるような、このB級感は(個人的に)良し。


 しかし、この映画は下品でグロいだけではありません。

 この映画の一番のテーマは「家族」です。

 そもそも、主人公・ダンカンのストレスの根幹にあるのは、失踪した実の父。そして、相性の合わない継父。

 そして、更には、もうすぐ自分も父親になるということ。

 

 ダンカンは、自分の人生に苦悩しているのです。

 この映画は、そんな彼のストレスから生まれてしまったモンスター・マイロを、もう1人の自分として受け入れ、自身のストレスと向き合っていくストーリーなのです。

 ただの悪趣味B級映画ではないのです。


 だけど、やっぱりモンスターはケツから出るし、流血描写ありなので、ヒューマンドラマとしては下品でエグすぎるというか……。

 悪趣味なB級映画に、オマケ程度でヒューマンドラマがついてくる程度に思って観た方が良いかと。


 こういう駄菓子みたいなB級映画の毒ッ気も、たまに味わってみるのも一興かと。

 もしかしたら、毒が転じて、少しだけ薬になるかもしれません。

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