第9話激カワ美少女と早々に仲違い?

ピピピッ、、、ピピピッ、、、


「うーっ、もう朝かよ。」


起きる時間を告げるアラームにより眠りから覚めた俺は憂鬱だった。今日は来澤も交えて3人で登校する日、しかもこの事を達樹には伝えてない為質問攻めされるのは想像が着く。


(マジで最悪だ・・・。はぁ、とりあえずシャワー浴びるか。)


昨日はキャパオーバーで着の身着のまま寝てしまった為、シャワーから1日が始まる。重い体を起こし着替え一式を持って風呂場に行くが今の心情を表すように準備するスピードは過去最高に遅い。

ノロノロと支度しやっと風呂場に着き、シャワーを浴びながら色々と整理する事にした。


ザーッ、、、


「ふぅ、きもちぃな。」


朝からの風呂は気持ちよく、重かった体が少しずつ軽くなっていくような感覚がする中で気持ちや考えを整理する。


(もう諦めて、来澤も含めて登校するとして達樹になんて言えば良いんだ?

お前の事が好きらしいから誘ったんだよ!なんて言うわけにはいかないねーし、、、。)


俺の立場はとてつもなく面倒くさくてシンドい。達樹からは疑念の視線、来澤からはアシストしろと言わんばかりの視線を受けるのだ。

そんなの絶対に耐えられ無いし、ボロが出そうで怖いのが本音だ。


(あ~、もう2人で行けばいいんじゃないか??俺がワザと集合時間よりも早く家を出れば問題ない!)


シャワーのおかげですっかり頭が冴えた俺は名案を思い付いたとすぐに実行することに。さっさと風呂から上がり、髪の毛もビショビショのまま制服を着る。もうこの頃には母親が起きてる為、朝飯の支度がされているリビングに向かう。


「はよっ。」


「はいはい、おはよーね。

ってあんた髪の毛ビショビショじゃない!?」


料理を作りながら一瞬俺を見ただけなのにビショビショと分かるくらい、結構濡れてるんだと今気づく。


「ちょっと急いでるから、直ぐに乾くし大丈夫だろ。」


「んーもう、今度からはちゃんと乾かしなさいよ!はい、朝ご飯しっかり食べてよね。」


「へいへい、いただきます。」


俺は支度された朝飯を急いで食べ、時間を気にする。いつもはノロマに食べている俺が早食いしているのが母親は気になる様だ。


「いつもより早く起きてんのに何でそんな早食いしてんのよ?」


「ちょっと用事があんだよ。」


「達樹くんと?まぁ、いつも待たせてんだから今日は早く行ってあげなさいよ~。」


勝手に相手を想像し話を続ける母親がこんなに楽だと思ったのは初めての瞬間だろう。


「おう、分かってる。

ごちそーさん。」


「さっさと行っちゃいなさい。」


飯を食べ終え時間を確認すると来澤と約束した時間よりも20分程早かった為安心して玄関に向かう。


(はぁ、これで重荷な事はやらずにすみそうだな。)


朝考えた作戦通りに事が進みそうで、心が軽くなっていたその瞬間スマホから通知音が鳴った。


ピロロ、、、ピロロ、、、



通知音が鳴り響き俺は緊張で震える指先でスマホをタップし、トーク画面を開く。そこに出てきた相手は今1番連絡を取りたくない相手来澤だった。


【おはようございます!

気持ちが抑えられなくて、集合時間より早く着いてしまったので玄関先で待ってます。】


「はっ、嘘だろ、、、。」


返事を返す事や考える間もなく、来澤が居るであろう玄関先に向かう。


ドタドタ、、、ガチャ


「ばんりー、乱暴にしないの!!

あと気をつけなさいよ~。」


焦ったからか乱暴な開け方をし母親の大声を飛ばすが無視をし、周りを見ると来澤の姿があった。俺は何も考えずに来澤に詰め寄った。


「ちょっ、何でこんな早いんだよ??

決めた時間よりも20分はえーし。」


「おはようございます・・・。」


俺がこんなにも詰め寄ってくるとは思って無かった来澤は怯えた表情をし謝罪してくる。


「あっ、その、ごめんなさい。

楽しみ過ぎて準備とか早く終わって、その足で来ちゃいました、、、。」


語尾がどんどん小さくなっていくのが分かり、詰め寄り過ぎたと気づくが止められなかった。


「はぁ、自分勝手で強引だな。

時間は守ってくれないとこっちも協力しにくいだろ。」


自分がやろうとしていた事は棚に上げ、俺は来澤を責めてしまう。


「すみません、今後は気をつけます。

て岸川くんだって集合時間より20分も前なのにどうしてそんなに準備万端なんですか?」


「えっ!?」


今まで俺が優勢だったはずが来澤はニコリとした笑顔で俺を劣勢へと落とし、来澤が優勢になった。俺は必死に誤魔化そうと嘘を着く。


「いや、俺はいつも通りだ。」


「えっ、いつもは遅いですよね?

達樹くんがいつもお家のまで待ってるんですから、嘘ついてませんか?」


俺の嘘は簡単に見破られてしまい、昨日来澤が白状した内容を思い出す。


(そういえば、こいつ達樹の後つけてるって昨日言ってたから変な嘘つけねーんだ・・・。)


こんな時に来澤のストーカー行為が来澤自身の味方となり、俺は早々に窮地に立たされる。


「どうなんですか??

もしかして、1人先に・・・。」


さっきまでとは反対に俺が詰め寄られている中、俺の事を呼ぶ達樹の声が聞こえた。


「ばんりー!」


返したい気持ちはあったが来澤をどうにかしようと思い、来澤の方を見ると達樹の声を聞いただけで頬が赤くなり緊張してきているようだ。


(よし、このまま流れに身を任せれば来澤に余計な事を言わないで済む。もう3人で登校するしかねーな。)


俺はもう心を決め、小走りにこちらへ駆け寄ってきた達樹に来澤を紹介することに。


「はよ、達樹。

今日さ俺と同じクラスの来澤も一緒で良いか?」


「はよ、万里とくるさわさん?

あー、まぁ良いけど。笑

くるさわさん?よろしくね。」


「あ、その、おはようございます!

よろしくです・・・。」


達樹には来澤の名前をこの間教えたがもうすっかり忘れているようで初めましてのように挨拶をしている。来澤は顔が赤くなり照れているようで何も考えられていないのだろう、そんな来澤をフォローしつつ今から約10分足らずの登校と言うなの闘いが始まる。









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