第6話激カワ美少女と話し合い 来澤真白ver.③

私は自分自身を落ち着かせながら話しかけた。


「あ、遅かったですね?

もしかして迷いましたか?」


岸川くんは遅くなってしまったことに申し訳無く思っているようで謝ってくる。


「いや、まぁちょっと色々あってな。

待たせてごめんな。」


私は心配はしていたものの怒りは湧いていなかったので明るく返す。


「いえ私がお呼びしましたし、一緒に来たら良かったですね!」


実際一緒に来た方が楽だったと思うし、次からはそうしようと考え発した言葉だったがすぐに断られてしまう。


「いや、今度からはちゃんと着くようにするから大丈夫。」


絶対に一緒には行かないと言う思いが伝わって来たので何も言えなくなった。


(そんな嫌がらなくても良いのになぁ、、、。)


岸川くんに嫌わてしまったように感じた私は話しかけるのを躊躇ってしまうが、岸川くんは早く本題に入りたいようで話しかけてきた。


「集まったし、本題に入ろう。

どうして、達樹に俺と友達なんて言って話しかけたんだ?」


(あれ、達樹くんから断片的にしか聞いてないのかな?まぁ、名前出しちゃったのはホントの事だから話さないと。)


「その、勝手に名前出したのはごめんなさい。でもその方が達樹くんの記憶に残ると思って・・・。」


私は包み隠さず本心を伝えるが岸川くんそっちのけで達樹くんの事を思い出し顔が赤くなってしまう。


(やっぱり昨日は夢みたいな時間だったなぁ。)


浸っていると岸川くんにツッコまれる。


「えっ、いやいや照れないでもらえる!?

まぁ記憶には残ると思うけど勝手にはダメじゃないか?俺が話を合わせなかったら不審に思われるだろ?」


確かに岸川くんに話を合わせてもらわないと危うい事は分かっていたけれど、そこは岸川くんを信じるしかなかった。


「その為に昨日岸川くんに放課後時間を貰ったの、先に私の事情を話しておけば登校の時にその話が出ても合わせてくれると思って、、、。」


実際その通りに岸川くんは話を合わせてくれていたし深く言わずとも察してくれる岸川くんは、最強のパートナーになること間違いないと確信していると。


「えっ、めちゃくちゃ利用されてんじゃん。」


岸川くんのこの発言は少し心外だった。結果的には利用してしまっているけれど、私としては協力体制で頑張ろうと思っていたので弁明することに。


「えっ、そんなつもりは無くてただ達樹くんに言いよる女達に勝つには記憶に残らないとって思って、やっぱり岸川くんの協力してもらえて良かったぁ。」


満面の笑みで言ったのだか、何故か苦笑いの岸川くん。


(なんか変な事言ったかな??)


そんな事を思っていると岸川くんが話題を変え話しかけてくる。


「えっと、協力してって言ってたけどなにすればいいの?」


確かにまだ詳しい事は話してないし、特に考えてなかった。なので今自分が求めていることを伝えることに。


「達樹くんとまたお話したいので取り持ってくれませんか??」


色々と願望はあるもののまずは私の事を知ってもらうのが先だと思い、お願いしたのに岸川くんは何故か疑いの目でこちらを見てくる。


(どうしたんだろ?

んー、もっと凄いお願いされると思ったのかな。)


「まずは私のことを沢山知ってもらいたいので!」


とりあえず無難な理由を述べたがちょっと心の声が漏れてしまう。


(まぁ、達樹くんのことは色々と知ってるんですけどね!てへっ・・・!!)


岸川くんは何となく納得したようだが呆れた顔で話し出した。


「そういや、達樹が来澤のこと可愛いって言ってたぞ?

だから俺が居なくても会話とか出来ると思うけど。」


岸川くん的には俺は必要ないアピールをしたかった様だが、いきなりの爆弾発言に私は舞い上がってしまう。


「えっ、ほ、ほんとですか??

あの達樹くんが??すごい嬉しい、産まれてきて良かった~。」


我を忘れて、脳内で達樹くんが可愛いと言ってくれている様子がリピート再生される。

舞い上がっている私を岸川くんはすごい顔で見ている。


(うわ、引かれちゃったかな??

んー、まぁこれからもこうなる時あるかもだから仕方ないよね!)


もう前向きに割り切り、脳内リピートに浸っていると岸川くんは恐る恐る聞いてきた。


「そんなに嬉しいのか?」


愚問な事を聞いてくるので興奮状態のまま返答する。


「はい、嬉しいです!

好きな人から可愛いなんて最高すぎます!!だからこそ達樹くんに話しかけるのもう恥ずかしくて無理なので、岸川くんお願いします。」


私の熱い思いを伝えると同時にちゃんと念押しする。

もう、この頃には岸川くんは疲れてしまった様で流れに身を任せている様だった。


「はぁ、、、そうなるのかよ。」


声色で観念したように聞こえ、私の心は喜びで満ちていた。


(話し合いに勝ったよ~!!

これで達樹くん攻略作戦をちゃんと実行出来る!)


私はこの春、力強い恋のアドバイザーを手に入れたのだった。





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