第4話激カワ美少女と話し合い 来澤真白ver.①
「万里、おはよ!」
「あ、おーおはよ。」
春らしい温かさがある晴れた平日の朝、私は今電柱の後ろに隠れながら大好きな如月達樹くんの登校をストー、、見守り中の来澤真白です。
達樹くんは毎朝一緒に登校する親友の岸川万里くんと合流し、歩き始めたのでバレない様にこのまま私も登校していきます。何か話してる様子ですが、距離を取っているため聞こえ無いのもいつもの事。
(はぁ、今日もかっこいいなぁ。
2人で何の話してるんだろ私の話題とか出てたら嬉しいけどどうなんだろ??)
2人の様子を見守っているといつもとは少し様子が変だった。達樹くんはいつも通りに見えるけど、岸川くんは少しお疲れ気味に見え心当たりしかない私は昨日呼び出したあげく中々なお願いごとをしたので申し訳ない気持ちになる。
(やっぱり急だったかな、、、。
んー、でも達樹くんを狙う女子が多くなって来たからには仕方ないよね!)
岸川くんには協力してもらわなければいけない理由があるので割り切ってもらうしかない。
(昨日達樹くんとたまたま会話した時に岸川くんの名前出しちゃったし・・・。)
実は岸川くんと話す前に偶然廊下ですれ違った達樹くんと肩がぶつかってしまい謝る流れで会話へと発展したのだ。
(ぶつかっちゃったのにお話まで出来たのは嬉しかったなぁ。)
スタスタスタスタ、ドンッ!
「いたっ、あ、ごめんなさい!」
「おっと、こっちこそごめんね!
痛いとことか無い?大丈夫?」
あまり前を水に廊下を歩いていたら好きな人とぶつかり心配されているこの状況。
(えっ、夢なの少女漫画の世界だよ~!!
あっでもどうしよ、なんて答える??)
勝手に混乱し返答しない私を更に心配してくれたようで達樹くんはまた話しかけてくれた。
「おーい、大丈夫?頭には流石にぶつかってないよね?笑」
心配しながらちょっとした冗談を言ってくれる達樹くん、笑顔まで見せてくれるなんて。
(カッコよすぎ、白馬の王子様だ・・・。
この機会を逃す訳にはいかないよね!!)
意を決して私は常日頃から考えていた【達樹くん攻略作戦!!】を実行する事にした。まずは自分自身が持つ可愛さをアピールしていくことが第1だと思い話し方や身振りに気をつけながら話すことにした。
「ぜ、全然大丈夫だよ~!
達樹くんこそ痛いとことか大丈夫??」
「あー、俺は全然大丈夫だけど・・・。」
少し達樹くんの態度が変わった気がした。何かミスでもしたのかと焦りまくる私は達樹くんの言葉に震え上がってしまう。
「えっとキミ、俺の知り合いだっけ?
自己紹介してないけど俺の名前知ってるみたいだから。」
私はもうこの時パニック状態になりあらゆる言い訳を考えていたがそう時間はなかった。
(えっ、どうしよ、やばいよ~!!
何か言い訳出来ないかな??全然良い考えなんて浮かばな、、、いやうちのクラスには達樹くんの親友が居る!)
この時の所要時間は3秒くらいだったと思うし頭がフル回転していた。私はとっておきの言い訳が出来ると確信し自信満々に達樹くんへ返答した。
「その、私のクラスに居る岸川くんが如月くんのお話良くしてるからつい・・・。名前で呼ぶのダメだったかな?」
私は自分が可愛いという事を自覚してるので、必殺上目遣いで押し切ろうと思い達樹くんを見る。
(お願い、騙されて!!)
願いは無事に叶ったけど、思わぬ方向に話がとんでいってしまう。
「あー、そういうこと、万里と同じクラスなんだ!
全然名前呼びで大丈夫だよ、いやー、それにしても万里に女子の友達が居るなんてびっくりだな笑」
「えっ、友達?」
「うん、あれ友達じゃ無かった?
あっ、普通にクラスメ、、、」
「い、いえ、友達です!!
隣の席で仲良くしてもらってて!」
私はとっさに岸川くんと友達と言ってしまった。安易にクラスメイトという関係よりも友達という関係性の方が達樹くんの記憶に残ると思ったからだ。
「やっぱ友達なんだ!
あっ、やべ、俺そろそろ行かないと万里によろしくね。」
私の返答を聞き満足したのか達樹くんは颯爽と行ってしまった。走ってく姿もかっこよくてつい見ていたがそんな場合じゃないと気づく。
(あれ、私岸川くんと友達ってことになっちゃった・・・。嫌いな訳じゃないけどどうしよ。明日の登校中に私の話が出たら終わりだよ~)
毎日一緒に登校している事は把握しているがどんな会話をしているかは分からない。今の達樹くんとの会話で岸川くんが関係ないと言ったら印象が悪くなってしまう。
悩みに悩んだ結果、岸川くんを呼び出し協力して欲しいとお願いした。後悔はしてないけど不安な事は沢山あり昨日の出来事を振り返るともう学校は目の前だった。
(今日全然達樹くんのこと見れ、、見守れなかった。それに昨日の事とか色々岸川くんと話し合わないと。)
毎日達樹くんの近くに長時間居れると楽しみな気持ちで正門をくぐっていたが今日は憂鬱とした気持ちで登校した。
下駄箱に着くと岸川くんが何やらやる気満々に叫んで走り去って行くとこを目にして、更に話しかけるのが怖くなってくる。
(なんで叫んで走ってるの??
話しかけるの怖いしチャンスあるかな。)
今日は昨日以上に覚悟を決めなければと思った朝だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます