第27話 蝶々:太宰治

太宰治の多分あんまり知られていない。ショートショート。

面白ポイント①:私が唯一好きな作品

面白ポイント②:ファンタジー?

結び:太宰治が嫌いな理由


あらすじ

起:ある男がいた。その男は、年齢的には20代青年だが、老け込んでいた。彼は、だらしなく、退廃的な人生を歩んできており、人の2倍3倍も歳をとっていたのだ。彼は、いま、病で死にゆく直前だった。

承:男には、お金があったが、何の魅力も感じていなかった。病気で寝たきりの今になっては、何の意味もなかった。また、男には女がいて、彼を看病してくれていた。

転:ある日、男は何も無い空中をキョロキョロと眺めていう。「蝶々がみえる」

彼にだけ見える色とりどりの蝶たちは、彼の目の前で、バラバラになって散って行った。

結:省略


面白ポイント①:私が唯一好きな作品

→一時期、太宰治をよく読んでたんですが、なんかあんまり好きになれない作家でした。

→どうも、生気がないというか、覇気がないというか。抒情的な感じはいいのですが、力強さが欲しいなぁ、という印象です。

→この作品も、全く覇気のない作品ですが、なぜが太宰治を読まなくなった後も、鮮明に覚えている作品です。なぜなのでしょう?


面白ポイント②:ファンタジー?

→この作品が、他の(別にすべての太宰作品を読んだわけではなく、有名どころを読んだくらいですが、、、)作品と違うところは、ファンタジー感があるところですね。

→太宰治は、自分の自殺願望を、死を、一種の恥と結び付けて語っているような、女々しい感じがあります。私はその点が好きになれないのですが、この作品は死にたいして、蝶々という美を対比させています。

→その時に生まれてくる美の増長といいますか、、、人生の儚さといいますか、、、うん、、、そういったものを、見事に描いているような気がします。私は、そこに惹かれたんじゃないかなぁ、、、なんて、今思っています。


結び:太宰治が嫌いな理由

→告白しますと、太宰のだらしのない感じ、覇気のない感じ、、、陰気な私を見ているようで嫌なのです。もっと、活力のある人間でいたいという欲求と相反する姿を見たくなくて、太宰治を勝手に嫌悪しているのです。

→きっと、人間失格とかを読み直すと、滅茶苦茶、感動しそうで怖いのです。

→そして、そんな陰気でだらしない人間の割に、女性にもてるというところに、嫉妬心が湧いてきそうで怖いのです。


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