第11話 魔女:五十嵐大介
全2巻。「魔女」をキーワードとした短編漫画集。
チェンソーマンの作者が影響を受けた漫画として挙げる作品(私もそのつながりで知りました。)
あらすじ
起:トルコの田舎で、魔女の少女は啓示を受け、それに従い大都会イスタンブールへ向かう。イスタンブールでは、新興企業の女社長が、その影響力を強めており、彼女の活動によって、名所であるバザールが取り壊しの危機に瀕していた。
承:バザールの幹部のおじさんは、かつて女社長を振った男で、彼女はその時のトラウマから、バザールをおじさんを目の敵にしていた。そして、女社長は、かつての失恋のショックを糧に勉強し、魔女になっていていた。女社長は、ため込んだ力を発露し、人々を殺害していく。
転:夜、。強大な怨霊の軍隊を組織し、バザールへ現れる。バザールの前に立ちはだかるおじさん。イスタンブールの地下には、さらに恐ろしい呪いの力が眠っていて、バザールによって封印されていたのだ。イスタンブールを守るおじさんとそれを破壊しようとする女社長。女社長が、おじさんを殺害しようとした瞬間、なぜか軍隊の怨霊たちが崩壊していく。
結:省略
面白ポイント①:もうこれは文学です。
→決して文字が多いわけではありませんが、一つ一つのセリフの深みが段違いです。決して、「何いってるかわかんねぇ」みたいな、面白みのない意味不明なセリフはなく、「なんとなくわかるけど、なんかモヤモヤ」させてくれる。文学好きには、よだれの出るようなセリフが散りばめられています。
→内容的にも、普通に「魔女」というキーワードから容易に想像できるようなお話ではありません。かつて、見たことのない、「魔女」の物語を味わうことができる唯一無二の傑作です。
面白ポイント②:かつて見たかのような風景
→小説と漫画の大きな違いは、物語の「絵」を読者が描くのか、作者が描くのか、、、というところだと思っています。
→小説は、読者が自らの感性に従って「絵」を描きますので、当然、人によってその情景は変わってきます。
→しかし、この作品(五十嵐大介先生)の描く世界は、恐らく文字で書き起こしても同じような世界が、読者の中に描かれるのではないか、、、そう思わせてくれる、、、デジャブ感、、、郷愁があります。なぜか、懐かしい、、、切ない気持ちに満たされます。
→ぜひ、この漫画を読んで、五十嵐大介の描く世界と自分の中の世界を比較してみてほしいです。
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