一.一秒物語 3

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┃ 作曲についての話 ┃

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 友達に作曲がうまい人がいたので コツを聞いてみた

 なあに簡単だよ 星を黒く塗って譜面にばらまくだけさ と彼が答えた



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┃ 霧の中の会話 ┃

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 霧の夜 友人Aが云った

「ひょっとしたら 霧は生きているんじゃないかな」

「そんなばかな」

 と 自分が云ったとたん 何かに投げ飛ばされ 地面と頭がゴツンといった

 自分は あたりを見まわしたが なにもない あいかわらずの濃霧だった



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┃ 驚かしあった話 ┃

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 お月様がぼんやり立っていたので うしろから ワッ 大声で驚かしてやった お月様は飛び上がって ガチン 天井に頭をぶつけ たんこぶをこしらえた

 さて帰ろう と夜道を歩いて 家のドアを開けると 中から自分が出てきたのでびっくり

 よく見ると相手の自分の頭に たんこぶがあった



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┃ 星? ┃

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 空にむかって鉄砲を撃ったら 穴の開いた銀色のヒトデがひらひら落ちてきた



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┃ 画家とお月様 ┃

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 お月様と話をしていた画家がちょっと席をはずし 戻ってきたら おや お月様がいなくなっていた

 隣の部屋を見ると お月様を描いた絵がなくなっていた

 次の晩 空にかかっているお月様は なんだかとても得意そうで 見ると 大空の真ん中に ゆうべの絵が掛けてあった

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