人生で血が滾る怒りの闘いの始まり?
ことの初めは何のことはない。
先週の金曜日のことだ。
この日は一睡もしてなくて、横になっても眠気も刺さないので仕方ない。
食料品の買い出しに出掛けてまず最初に漏らした感想は、異様な品物の値上げに愚痴をこぼしたことから始まる。
何せいつもなら198円程の品物が248円などと戯けた値段で売っているのだ。それもごくごく普通のスーパーにて。
まあ仕方ないよね。ロシアとウクライナの戦争で色々値上がりする事はわかっていたよ。良くないけどね。ある程度は覚悟していた。
問題はいつも唐突に襲ってくる。
私はさして親しくもないエクソシストなサービス管理者に愚痴をこぼした。
このような戯けた値段の品物が売っていた事を話したら、目ン玉が飛び出るような話をしたのだ。このエクソシストなサービス管理者が。
「そうですね。あの大変申し上げにくい事ですが、ホームの利用料が値上がりするのですよ」
「……! どういう事ですか?」
「私も一応反対しましたけど、会長がここの食事を取っていない者からも利用料を全額請求しろと命令されまして」
「なんですか、それ? それってどういう事か詳しく教えて下さい」
「つまり、翔田さん(ホームでは本名で呼ばれてますが)は今まで請求してなかった食事代、24000円分を今月から請求して月末日に今の24000円を口座に振り込むという事になったのです」
「今年に入って私は一度もここの食事は注文しておりませんが。食事は全て私の自腹で食べました。何で払っていないものを請求されなくてはならないのですか?」
「それに仮にもそういうお金の話は実行に移す1ヶ月前にするべきでは無いでしょうか?」
去年まではホームの食事を注文していたので、その度請求が来ては払っていた。
今年に入ってからは私事で実はホームの食事は注文していない。だから毎月、1ヶ月分まるまるが引かれて請求にきて納得して払った。
なのにいきなりこんな話をしている。
しかも何と他の利用者にも話していないそうだ。私に初めてしたのだろう。
その後はご多分に漏れず1時間半程の抗議の声が1階のロビーに響いたのは言うまでもなく、それを耳にした他の利用者も質問にきたらしい。
納得いかない私は、だんだんと血が滾るように怒りに身を震わせる。
冷静になろうと想って、こういう時は第三者の意見を聞きたいと思って友人にライン電話をした。
「つまりは翔田さんの場合は24000円が戻ってくる計算だよね。つまりは30日分だね」
ここのホームというかグループホームは朝飯が300円で、夕飯が500円の請求がくる。一日合わせて800円。それを30日かけると24000円。そういう計算だね。
5月の請求金額はしっかりとその24000円が引かれた金額での請求だったので不当なものではないので私も支払いの義務があるから支払う。
それがいきなりなんにも知らされないでいっても60000円くらいでやっていたのが24000円もプラスって不当な話ではないのか?
月末に戻ってくるからいいじゃん、って思った人はこれ以上は読まなくていいよ。話通じないから。
一食たりとも注文していない食費を請求されるのがおかしいのだ、と言いたいのである。
おかしくないと思ったなら、例えばこういう状況を想像してみて欲しい。
あなたはレストランの前にいます。まだ何を食べるか決めてません。そこで店員さんが出てきました。そして一食も水さえも貰っていないのに、あなたに5000円も寄越せと言ってきました。
どう思います。ふさげるなでしょう?
サービスを受けてないのに請求されたんですよ。
これと同じ事を私はされたんですよ。
「おかしいよね。そういうの、誰かに相談できないのかな?」
友人はなだめようと親身に話してくれます。
そういえば、こういう問題に詳しい知り合いの社長がいたのを思い出す。
その人はとにかくお金の話に詳しい人だったのだ。
次にその知り合いでもある社長がいる会社に電話する。実はかなり規模こそ小さいながらもお金の話に詳しい社長で、何かあったら気軽に相談してみてとアドバイスを貰った。
しかもその社長がいる金曜日だったのだ。
その社長にもとりあえず、まあこの通りの事を話してみた。
社長は私にとにかく冷静になるように伝えて、そしてとある電話番号を教えてくれた。その前にこんなアドバイスも。
「そういうお金の話は言った言わないの押し問答になるからまずは書面での証拠を貰おう。
書面での証拠を出してくれないなら電話番号にかけた方がいいね。
俺もさ、この電話番号からくると結構な嫌な気分にさせられるから」
確かにこの電話番号は知ってる。
私が2度ばかり電話したところだったりする。
最後にたまには会社に顔を見せてくれよ、と言って電話を切った。
次は書面での証拠を出してくれるかどうかの品定めである。
念の為にインターフォンで連絡をした。
エクソシストサービス管理責任者がでる。
たった今、私に話した事を書面に起こして欲しいとお願いした。
だけどねえ。
この書面。体裁だけを繕った紛い物じゃないですか。
まるで「こ~すればいいんでしょ?」みたいな……。
ますます血が滾る程の怒りが湧いてきた。
あ〜そうかい。そうかい。
そんなにこの「たんぽぽ並木」を運営している会社はブラック企業ですか!
何なら私は泣き寝入りするわけにはいきませんなあ。
てめぇら◯本◯画がぶっ潰れるまで徹底的に叩いて、ぐうの音も出ないくらいに、社会に顔向けできないくらいにしてやるよ。
思えば散々、ここの運営会社は、私達の事をただの金づるにしか見ていないらしい。
てめぇらに出す金なんざもう出さねえ。
納得するまで説明責任を果たすまでは、一銭も払わねえからな。
あのまともなあの人が辞めた理由も納得だよ。とんでもないブラック企業だった。
金の流れが全然見えなくて明快じゃないって、あの人が話して辞めたけど、あの台詞の後にこの事件。
何か伏線でもあったのだろうか?
いや、この台詞が伏線だったのか。
この話は実話なのだから、怖いのである。
小説家になる前に、自分が小説の主人公になった気分である。
まあ、何も起こらない人生なんかつまらないし、一つの企業を叩くなんてシチュエーションはあまり味わえない。
血が滾るのは、ワクワクしているのと同義と思ったので私は泣き寝入りしないで、せめて闘って派手に散ろうが散るまいが、記憶に留めておこうと思った次第である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます