吉原遊郭の作品を書いてみたい

江戸吉原遊郭の作品を書いてみたい。

しかし。花魁が主人公の作品は有名どころも書いている。

同じ作品になるかも知れない。


視点を変えてみよう。

遊郭には雇い主もいる。

雇われる人もいて、

買う人がいるビジネスだ。

花魁を雇うのは遊郭。

遊郭の管理者が楼主と呼ばれる人。

別名【忘八】。冷酷非道で、アコギな商売しているから、8つの徳を忘れた人と呼ばれる。

花魁が絡むのは間違いなくある。

でも、楼主を題材にとか、楼主を主人公にした作品はあんまり聞かない。


なら、楼主を主人公にしてみるのも面白いかも知れない。

経営者の話にする訳だ。

その他にも様々な人達が遊郭では働いている。

若い衆と呼ばれる男達。

内儀と呼ばれる楼主のパートナー。

この辺を描くとよりリアルに見えたりして。


楼主の物語にするとして、どんな物語にするのか肝要だね。

作者が最初に思い浮かべた

1つの要約は

【彼は美しい楼主。時に遊女よりも美しく】


だ。皮肉な話だが遊女よりも美しい楼主ならネタに尽きない。

しかし。少女漫画のようなヤワな男ではない。

冷酷非情と呼ばれる男性だ。

それなりに年齢は重ねてると思う。

30代、40代。美しい楼主だからダンディな色気もあるかも。

羽織物が似合いそうだ。

髭はあったら割と貫禄も出るか。

管理者としての手腕も確か。

女衒と呼ばれる人買いとは、持ちつ持たれつ。

情報を仕入れる能力。

読み書き計算は出来ないとね。

遊郭は悶着色々だから、肝が据わった人でないと無理。

眼が据わった覚悟がある男性ならいける。

売り物になる遊女を値踏みする必要もある。

ただし売り物には手を出さない。

粋な部分を見せたい。

遊女が一本立ちしたら、さり気なくプレゼント。餞というのかをする。

かんざしとかをあげるとか。

内儀と呼ばれるパートナーが必要だ。

結婚していると思われる。

言葉遣いは、気品を感じさせると同時に、凶暴な言葉遣いがあると納得かな。

若い衆と呼ばれる男達の信用はある。

筋も通す。

8つの徳を忘れたが「失くした」訳でもない。

こんなイメージかなぁ……。


あれ? 

そんな想像したら

心に棲む、何時もの「彼」が出てきた。


「それって俺の事だよね」


やっぱり、この人をネタにするのが

作者にとっては近道なのではないかと思った。


楼主の人物像は大体固まるが肝心の物語の内容はどうしよう?

あり得んだろうと思ったのは

花魁と楼主の恋。


禿から見守ってきた女郎が、新造になり、張り見世にいき、お職の名代になり、3番手、2番手になり、ついには花魁道中をはれる花魁になる。

しかし、花魁となる少女は、楼主が好き。

楼主も、思い入れはある。

しかし。体の関係にはならない。


「売り物には傷をつけない」


楼主のモットーだ。


禿だった女の子は、あるあるネタで、借金のかたにされる。

そうだね。後は飢饉があって仕方なく遊女屋に送られたとか。

女衒に連れられてやって来る。

女衒とは持ちつ持たれつ。

役所関係も、遊女屋がある事で社会が周る事を知ってるし、だけど、楼主自体の地位は低い。

四民以下だと当時は言われていたそうな。


楼主と花魁はお互いに想い合っている。

しかし。

店の看板たる花魁に手を出すのは、売り物を傷つける事で及ばない。

一方で花魁は想い人である楼主に抱かれたいが女郎なので当然、他の権力者に、妻に娶りたいとか、そんなふうに彼女を身請けしたいと言われる。


その辺の葛藤を描くと面白い作品になるのかなと思ったり。


昨夜から、頭に浮かんだ台詞回しを出してみる。


「あんた遊女より色気というか、気品があるな。珍しい男だね」

(客人からふと言われた一言) 


「今は小さいこの店の看板になるのは案外、俺かもな」

(開業して間もない頃に楼主の一言)


「(楼主の名前)さん。本当はあなたに初夜を渡したかったのに……」

(禿だった女の子が楼主に売り物としてのチェック時に一言)


「それは客の為にとって置いてくれ」

(チェック時に楼主の返した台詞)


「そうだ。はなむけにこのかんざしをあげよう。一本立ち出来るようになったら身に着けるといい」

(禿から振袖新造になった女の子に餞としてかんざしを贈る)


「この廓で多くを受け取る者は、多くの女から妬みと恨みを貰う。それだけ素質があるって事よ」

(身請けされたお職の禿への一言)


「上物は芸事も勉学もさせる。並物には芸事を。小物は性技を教え込んで、この店の儲けを安定させるのさ」

(売り物チェックの際に話す楼主の経営者としての一面)


「ここが辛くて苦しいなら一刻も早く慣れろ。習うより慣れろ。それがここの掟だ」

(ボコボコにされた禿に楼主からの一言)


「私は売り物の君に傷はつけない。だから君とは関係は持たない」

(抱いて欲しいという振袖新造に楼主からの答え)


「私はあなたに初めての人になって欲しかった。そうすればどんなに売られたとしても、汚されないから」

(振袖新造になった想い人の告白)


「冷やかし千人、客百人。吉原にくる客が皆、あがってくれる訳でもないのさ」

(内儀の一言)


「とうとう番付に載ったか。この店も」

(楼主の店が初めて番付に載ったという報せを聞いて、実際に観に行った楼主の一言)


「ご楼主。本当にあなた、色気がありますな。その辺の遊女より色っぽいのは反則物ですな」

「ありがとうございます。私もそうなりたくてなった訳でもありませんがね」

(遊女より色っぽい楼主という噂話で店にきた客からの一言)

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