34・近所のおばさんの中傷で犯人

 近所の噂好きなおばさんが、お巡りさん様に言いました。

「ちょっとぉ、あそこの家のニートなんだけどぉ、昼になっても家から出ないでぇ、引きこもって怪しいことしてるんですよぇ。

 ああいうのが、犯罪とかやらかすんでしょぇ。なんとかしてくださいよぉ。

 あ、そうか。あの事件の犯人、そのヒキニートなんだわぁ。

 やっぱりねぇ。絶対やると思ってたのよぉ。

 お巡りさん、逮捕してくださぁいよぉ」



 そしてお巡りさん様は、純粋な正義感から答えました。

「なるほど。そのヒキニートが犯人なんですね。わかりました。緊急逮捕します」



 そしてそのヒキニートが逮捕され有罪となった。



 お巡りさん様は純真な正義心で思う。

「やはり、あのご婦人のように、近所の怪しい人間に目を光らせている人は違う。

 ああいった人こそ、日本の秩序の監視者なのだ。

 今後も、ああいった人たちから話を重要視しなくては」



 勿論、ヒキニートは冤罪だぜ!

 そして、そのヒキニートは俺だぜ!



 お巡りさん様、頭弱すぎるだろ。



 そんな感じ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る