33・上級国民だから容疑から外す


 婦女暴行事件の容疑者に関するパターンのことなんだが、要するにレイプ事件の容疑者。

 複数の人間が容疑者として上がっても、容疑に真っ先に外されるのは、社会的地位がある、経済的に成功している、素晴らしき人格者である上級国民は真っ先に容疑から外す。



 理由は、

「こんな模範的日本国民が犯人のはずがない。

 容疑に上がったのは何かの間違いだ。

 すぐに容疑から外したまえ」


 と、上から指示が来るから。

 現場のおまわりさん様も、

「いやぁ、まったくもってその通り。犯人は底辺の薄汚い不潔な、いかにもやらかしそうな人生の負け組に決まっている」



 という感じ。

 だが、被害者たちは、ほとんどの場合、上級国民が犯人だと証言する。

 犯人とは知人で、しっかりした人だから安心していた。

 信じたところを狙って犯行に及んだと。

 しかし、警察はその証言を却下する。

「なにを言ってるんだ! こんな立派な人が犯人のわけがないだろう! 犯人は底辺に決まっているんだ! 認めろ!」

 と責め立て、それでも犯人をはっきり覚えているし、知っている人間だと言うと、

「レイプされたことを公表されたいのか。起訴を取り下げろ。世間から穢された女だと中傷されるぞ。ふん」

 と泣き寝入りを強要される。



 そして上級国民の犯人は不起訴となる。

 当然、反省するわけがないのだが、お巡りさん様は、上級国民が謝罪する様子を見て

「自分の行いをしっかりと反省している。やはり、なにかの間違いだったのだ。上級国民こそ、真の日本人。彼らを保護しなくては。

 そして犯罪予備軍の底辺を徹底的に取り締まるのだ」

 となる。

 真剣とかいてマジで、上級国民は性犯罪をするわけがないと思っており、疑いを向けること自体不当で、それを言った被害者を糾弾する。



 そして上級国民がレイプ犯罪をそれで止めるわけなく、自分は起訴されないと知ったのだ。

 以後レイプ常習犯となるのだが、警察は上級国民を起訴したことはない。



 しかし、お巡りさん様は、レイプとは、底辺の薄汚い不潔な人生の負け組だけがすることだと、マジで信じている。



 お巡りさん様、頭弱いだろ。



 そんな感じ。

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