第2話
あれから通勤電車に乗るたび、助けに入った長身の男をつい探してしまう。
身長は2mくらいの長身なのでとても目立つ。服装はシャツにカーディガンを羽織ったラフな日とまれにビシッとスーツで決めている日がある。どちらもスラッとした彼の姿を際立たせ、とても似合っている。会社の服装は基本カジュアルで、大事な会議の日はスーツ、みたいな感じだろうか。私と降りる駅は同じ。
基本的に電車では物思いに耽ってぼうっとしてる(アホっぽい)事が多いけど、困っている人を見つけたときの声の掛け方、動きのスマートさに感心する。
ある日駅のホームで改札に向かわず突っ立ってる時があった。相変わらず不思議な人だな、何してるんだろと視線の先を探ると、男性が一定のリズムで白杖で地面を叩きながら階段へ向かってホームを歩いている。彼に合わせて少しずつ前に進んでいる。
誰かを見守ってる時、誰かに席を譲った時に見せる横顔がとても優しくて穏やかだ。
あぁいいなぁ。自然と優しい人なんだ。
よし、今日も頑張ろう。彼を見てニヤけてしまう顔を正して、改札へと向かう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます