第2話

あれから通勤電車に乗るたび、助けに入った長身の男をつい探してしまう。

身長は2mくらいの長身なのでとても目立つ。服装はシャツにカーディガンを羽織ったラフな日とまれにビシッとスーツで決めている日がある。どちらもスラッとした彼の姿を際立たせ、とても似合っている。会社の服装は基本カジュアルで、大事な会議の日はスーツ、みたいな感じだろうか。私と降りる駅は同じ。


基本的に電車では物思いに耽ってぼうっとしてる(アホっぽい)事が多いけど、困っている人を見つけたときの声の掛け方、動きのスマートさに感心する。

ある日駅のホームで改札に向かわず突っ立ってる時があった。相変わらず不思議な人だな、何してるんだろと視線の先を探ると、男性が一定のリズムで白杖で地面を叩きながら階段へ向かってホームを歩いている。彼に合わせて少しずつ前に進んでいる。



誰かを見守ってる時、誰かに席を譲った時に見せる横顔がとても優しくて穏やかだ。

あぁいいなぁ。自然と優しい人なんだ。

よし、今日も頑張ろう。彼を見てニヤけてしまう顔を正して、改札へと向かう。

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