第B話
高校生になった。高校になっても私は相変わらず上の空であることが多かったが、2つ変化が起きた。
ひとつは仲の良い友人ができた。学校で当たり障りのない会話をする事は出来たが、友人と呼べるのほどの人はいなかった。
遥はお節介で図々しいけど、明るく前向きでキラキラしている。遥に引っ張られて前より笑うことが多くなった。
ふたつは弁当問題だ。
給食がなくなり、お小遣いだけでは毎日の昼御飯まで賄うのは難しい。父に作ってもらうなんて、気持ち悪いから自分で作ることにした。悲しいことに父よりは美味しくは出来ないけど、おにぎりと卵焼きなら自分でもすぐ作れる。
触らないでと中学から自分の服は自分で洗濯することにしている。高校にして家事がしっかりできる。うん、私は出来るいい女だ。
今日はとても疲れた。中学と違って高校の部活はハードだ。特に大会前の部活は本当に疲れる。遥におしきられ入ったバレーボール部は楽しかったが、毎日筋肉痛だし、朝練もあってしんどかった。
お腹も減ったけど、もう眠い。今日はさっさとシャワーを浴びて寝よう。
髪の毛をドライヤーで乾かしながら、部屋の周りを見る。ヤバい、最近掃除をサボり気味だ。部屋が服や雑誌やマンガでぐちゃぐちゃだ。
でも眠すぎる。今日はもうダメだ。朝起きてから弁当を作ろう。ベットに突っ伏した。
マズい、寝坊した。
ご飯を作ってる余裕はないな。今日は昼抜きにしよう。最悪遥にたかろう。制服に着替え学校までダッシュした。
流石に夕、朝、昼の三食抜きはしんどかった。
一限の終わりで空腹の限界がきた。こそこそ早弁してる遥の席へふらふら向かう。
「遥ー今日もお弁当分けてーミートボールだけでいいから」
「お、相変わらず私のお気に入りを狙ってくるね。いい根性だ。ほい」
箸でつまんで私に食べさせる。
「遥大好き、愛してる。俺にはお前しかいない」「そんな棒読みじゃなくて、もっと色っぽく言って」
遥の妄言は無視した。
「てか最近めっちゃ疲れてるくない?大丈夫?」
「んー部活しんどくて帰ってなにもする気が起きないんだよね」
「でも流石に顔色悪くない?今日は早めに帰った方がいいんじゃない?」
「そうしようかな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます