第2話

この島のような所は野球場のダイヤモンド、よりは若干広い程度の大きさしかなく、それより外は空になっているようだ。外を覗き込む勇気も落ちたらどうなるかを試す度胸もない。

何かヒントがありそうなのは、あそこだよな。セカンド方向にある祠に向けて石畳を歩きだす。



建造物の正体はストーンヘンジのようなモノだった。大きな石が均等な間隔でいくつか半円形にそびえ立っている。しかしある石は亀裂が入っており、別の石は半分に折れて残り部分が地面に落ちている。

石の下には円状に石畳が敷き詰められ、円の中心に当たる部分には六芒星のようなマークがかかれている。

石畳には砕けたであろう石の破片が散らばっている。

手のひらサイズほどのそれを拾ってみる。普通の石だ。ひんやりするし、尖った部分を腕に軽く当てると痛い。ゆっくりとその場に石を置く。



改めて周りを見たが、空中に浮いているのは石の破片だ。建造物が壊れ、離散したものだろうか。顔の大きさ位のものから、ビー玉サイズまであり、また浮いている高さもマチマチだ。

宙に浮く石を触ってみた。触ることはできるが、何故かその場から動かせない。試しに落ちている石を宙に浮くものに当ててみたが、宙に浮く石はびくともしないし、拾った石は宙に浮くことなく重力によって地面に落下する。

この島には建造物とその破片以外なにもない。



今度はそびえ立っている石を触ってみる。大きさは4~5mほど、直径は2mほどで大層威圧感を感じるが、それ以外の触感はまたしても普通の石だ。一つの石の周りをペタペタと触りながらくるっと回る。隣の石も触る。石ごとの差異はなさそうだ。

痛ましく半壊した建造物を眺めながら思いを馳せる。

俺はこの空間で何をすればいいのだろう。

この祠のようなものを直せば現実世界にもどれるのだろうか。

でもどうやって? 

困惑し、呆然しながら石を触っていると後ろから風の気配を感じた。

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