〜猫の日準短編〜好きな女の子に想い人がいることをいる事を知り落ち込むも、一日だけの奇跡が起こった女の子のお話①

猫の日企画です。

好きな女の子に想い人がいることをいる事を知り落ち込むも、一日だけの奇跡が起こった女の子のお話①です。




武藤穂乃果むとうほのか

彼女は私と同じクラスで、隣の席で、毎朝一緒に学校に通って、毎日のように遊んでいる親友で、私の大好きな人。

友達として、ではなく勿論恋愛的に好きな人。

160センチくらいのスラっとした体型で、きめ細かいボブで揃えた黒髪が映える、綺麗な女の子だ。

勉強もできて見た目も中身もいい穂乃果は、当然学校でも1番の人気者。

私が隣にいられるのが不思議なくらい。

かたや私は、穂乃果に気に入られようとして始めた、似合ってなさそうなセミロングの茶髪に、ちょっとギャルっぽいメイク。

身の回りの小物なんかも、穂乃果が好きなブランド屋キャラクターで揃えたりもしてみた。

それくらい私は穂乃果にぞっこんなのだ。


ただ、いつもの幸せなだけだった日々は今朝、突如にして崩れ去りかけた。

今朝、寝坊をしてしまった私は、穂乃果に遅れて学校に走って向かった。

そこでいつものように元気に教室へ入ろうとしたところで、クラスの女子達数人に囲まれて、穂乃果が喋っているのが廊下の窓越しから見えた。

別段大したことでは無いように思えたのだが、この時の少し照れるような穂乃果の表情が何処か引っかかり、私は穂乃果から隠れるように廊下にしゃがみ込むと、教室での会話に聞き耳を立てた。

立ててしまった。

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