羽休め

 黒い部屋の黒いソファで寄り添って映画を見ている時、愛する天使が俺の肩に頭を載せた。甘えたいのか何なのか……測りかねていると、至近距離で美しい声が弾んだ。

「ワオ。今のは主人公のトラウマが払拭される、いいシーンだったね」

 前言撤回。こいつは単に俺の肩をクッション代わりにしただけだ。

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