第9話

 「あの鬼か……。色々なところで指導しているからすぐわかったわ」

 少し遅れて鬼ヶ島に侵入した猿は、木に登って鬼の集落を観察していました。

 「鬼の村が寝静まったら、行動開始だな」

 猿は2回目のももとの会議を思い出していました。


 

 「鬼には手土産を沢山持たせました。様々な知識も教えました。食料の保存方法として塩漬けを教えましたので塩を沢山持たせました。わが村で集めた資金でたくさん買って持たせました」

 「ほほう、で、どうするんだ?」

 「鬼の村が寝静まったときに、塩を持ち出して田畑に撒いてください。塩で植物は育たなくなります。また伐採場あたりにも撒いてください。一度にたくさん撒くとバレますのですこしずつでお願いします」

 「気の長い話だな……まったく」

 猿はあきれた物言いでふんぞり返りました。

 「猿さんにはお手数をおかけします。皆さんには今回もきびだんごの先払いをしますのでご容赦を」

 


 「さて、いくか」

 夜の帳がおり村の明かりが消えると猿は鬼の村へ走っていきました。

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