第8話

 唯一生き残った略奪班の鬼は村長に会い、これまでのいきさつを話しました。沖ですべての船が沈み、自分だけが流れ着いたこと。人間たちに救われ、手厚い待遇をうけたこと。略奪は非効率であること。人間たちの農業は高度であり効率よく食料を確保できていること。またそれを習ってきたこと。鬼が話し終わるころには一刻がたっていました。

 「……ほう、なるほど。お前絆されたわけではあるまいな?」

 「いいえ、人間は殺すよりも、うまく知恵を利用した方が得するといいたいだけです。ちなみに、たくさん土産を持ってきました。その中に先程いった農業をうまくやるための道具もあります」

 「……いいだろう、その道具とやらでやってみるがよい」

 「ありがとうございます」


 生き残った鬼は人間たちから教わった知識を使い、村の生活水準をあげていきました。

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