第2話

 一週間後、鬼ヶ島 港湾地区


 「なんか、最近コンコンコンコンうるさくねーか?」

 「ああ、なんかここら辺に大量のキツツキが住み着いてるみたいだな」

 世間話をしている鬼たちに略奪班の班長である鬼が叫びました。

 「なにやってんだ!武器を船に積み込め!人間の村を襲いに行くぞ!」

 世間話をしていた鬼たちは、へーいと生返事をしながら船に乗り込みました。

 船が沖に出たころ、鬼たちが叫びました。

 「大変だ!船が浸水してるぞ!」

 「水を掻きだせ!」

 「だめだ!追いつかない!」

 浸水している船の鬼は、他の鬼の船に助けを求めましたが、どうやら他の船も浸水しているようでした。そのうちすべての船は鬼とともに沈んでいきました。


 「くっくっく、あの嬢ちゃんの言った通りにしたら、本当に沖で沈みやがった。あの鬼どもはダメだろうな」


 雉は上空から鬼たちが沈んでいくさまを眺め、ももとの会議を思い出していました。


「雉さんには航空偵察を行ってもらい島の全景を把握していただきたいと思います。またキツツキさんたちを『いい住処になりそうな土地がある』といって鬼ヶ島港湾地区まで引き連れていってくれませんか。一部のキツツキさんたちには、このように船に穴をあけるよう指示してください。沖で船が沈めば鬼も一網打尽です」


 雉は完全に船が沈むことを確認すると、鬼ヶ島の方へ飛んでいきました。

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