第21話 手紙(ミツシゲ)

しんあいなるがりれおせんせい

 

 てがみありがとう。ほんまにありがとう。


 がりれおはくぶつかんであのてがみをみつけたとき、ぼくはたくさんなき、たくさんのひとをこまらせてしもうた。せんせいはかなしまないでというけれど、ぼくはかなしいしさびしいで?せんせいはかなしくないんやろうか。

 でも、たしかにあのひであえたのはきせきやとおもう。せんせいとすごしたひびはしあわせやった。せんせいがうんめいにさからわず、このせかいでしゃしんかのじょしゅとしていきたことで、みんながせんせいのことをおぼえてる。このまえまいとしけっこんきねんびにかぞくしゃしんをとりにくるおきゃくさんが「せんせい、こんどいつにほんにくる?」ってきいてきたで。

 

 せんせいがいなくなったことで、ぼくはわりとながいきかんぼんやりといきてしまったけど、またせんせいがにほんにきたときに、まよわないですむように、べがをおおきくすることにいまはぜんりょくをそそいでいる。どこにこのてがみをおいたらせんせいにとどくかわからへんので、うちにそのままになってるせんせいがきてきたふくのぽけっとにいれておくわな。

 

 せんせいがいなくなってからも、ときどきひとりでほしをみにいってる。あいかわらずせいざはおぼえられへんけど。そらからせんせいがみてくれてるようなきがするときもあれば、となりでいっしょにそらをみているようにかんじることもある。きっとほんまにせんせいはみまもってくれてるんやろうな。ちきゅうはうごいとる。まちがいなくうごいとる。それをせんせいにつたえられてよかった。


ほな。みつしげ。

 

ついしん

 せんせい、ぼくもいつかほしになる。そして、かならずせんせいをみつけるから、ずっとあかるくかがやいていてくれ。またあえたときにはちきゅうをみながらいっしょにわいんをのもう。ぼくもじぶんなりにかんがえて、れきしにあらがってはいけないのではないかとおもい、せんせいにないしょにしてたことがひとつある。せんせい、ちきゅうってすごくきれいなあおいほしやで。

               

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星になったガリレオ先生 穂高 萌黄 @moegihodaka

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