手紙  番外編

ある日、いつものように次の授業の準備をしていると、ここみさんが僕に近づいて来た。

「ねぇ、雄大くん。雄大くんって頭いい?」

と急に聞いてきた。ここみさんには、手紙で呼び出して告白するつもりだったが、失敗してしまったのは最近である。そしてなぜか桜さんが僕と兄が手紙を送ったことを知っていて驚いた。

しかも、失敗したのに兄は桜さんとお付き合いはじめ、僕はそれにも驚いた。

でも、僕は手紙のことが失敗してから特に何もしていないので悩んでいたのだが、こうして話しかけてくれるなんて、とても嬉しい。

「僕が頭が良いかどうかは判断基準によると思う」

「まぁ、別に賢くなくても良いんだけどね。

じゃあ、推理小説は好き?」

もちろん答えは好きだ。

だが、ここみさんにそれを言うのが恥ずかしい…。告白みたいになってしまう。


「す、すっ好きです!」

「やっぱり!だと思ったんだー」

僕は勇気を持って言ったが、ここみさんにとっては想定内の答えだったらしい。

「それで、ここみさんは僕に何の用なんですか?」

「うーんとねー、私の助手にならない?」

「助手?」

「そう!私ね、探偵だから」

「ここみさんが探偵?」

「信じてないな〜。いいよ、今までの推理聞かせてあげるって、もうチャイムなっちゃうじゃん!続きは昼休みねー。」

と言い僕の席を離れていく。

あっという間だった。そしてなぜか、昼休みにここみさんと過ごせることになった。




昼休み

図書室に行こうというここみさんの提案で、2人だけで図書室にいる。

そこで、ここみさんはプリン事件のことについて話してくれた。

「どうよ。これで、私が探偵だって分かった?」

「分かったけど、なんで僕を助手に?」

もしかしたら、ここみさんも僕のことが好きなのかもしれない。


「女の勘」

「それだけ?」

「うん。そうだよ」

恥ずかしい。ここみさんが、僕のこと好きなわけないだろ。変な期待しました。すみません。だが、返事はもちろん決まっている。

「僕でよければ」

「本当!ありがとー!」

これは、チャンスだ。これで、ここみさんと接点が持てる。



こうして、今日から僕はここみさんの助手になった。



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ここみちゃんの事件簿 中崎ネル @377415

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