気を取り直して

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「あっさり負けちゃったね」肩を落として美奈子が言った。

「惜しかったと思うよ」直史は何事もなかったかのようにすっきりとした顔で髪をかき上げながら返事をする。まるで先程の姿などなかったかのような物言いだ。


「どこが惜しいのぉ。瞬殺だったじゃない」美奈子はケラケラ笑い声をあげた。装備を外してカゴに戻している。

「でもさ、どうしたの、急にサバゲー体験したいだなんて」直史が尋ねた。

「ストレス発散にあたらしい刺激を追い求めてるの」そう言って、左手で作ったジェスチャの銃に、ふぅっと息を吹きかけた。


「そういうこと~? じゃあさ、いまから甘いもんでも食べにいこうよ。新しいワッフルのお店が駅前にできたんだ」

「…そうねぇ、ちょっと気分かえたい気分」

 美奈子がそう言うと、直史はニッコリと微笑んだ。


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