第三考 欲望論・食欲編

我が国は比較的食に対して寛容な国である。

だから、みな毎日、大体自分の好きなものを食べれているのではないかと思う。

ところは人によっては、「人間の欲には限りがないから」と言って、そこそこのものを食べて満足してしまう人がいる。


僕が言いたいのは多く食べなさいと言ってるのではない。質の良いものを食べなさいと言ってるのだ。


何において質が良いかということは、だいたいいくつかに分けられる。


これから言うことは「オオカミの教え」と覚えてほしい。

野生の狼の食事は、薬膳であるということはあまり知られていない事実だ。

狼はその時々の体調に合わせて獲物の臓物を食い分ける。

例えば、スタミナがなくて胃が疲れている時は獲物の胃袋を食べる。

胃袋の肉にはつかれた体を癒やす滋養強壮の効果があるからだ。

我々も先輩に見習って、是非食事を食べ分けることにしよう。

そのために、自分の体に神経を澄ませてよく耳を傾けてみよう。

胃は疲れてないか?

体がこわばっていたり、気分がずしん、と重くなってはいないか?

毎日の食事が嫌になってはいないか?


それに従って今日の方向性を決めるといい。

大体決まったら、次に考えることはこの四つだ。


食味、栄養価、品質、ジャンル。

これらの四つのバランス上、どれにどのくらい比重を置くべきかを考える。


なんとなく今日は元気がない……。

体調があまり思わしくない。

そんな日は食味は一番に、栄養価をニ番に重視するべきだ。栄養価のあるものは総じて食味が良く、たべると体の底から元気がみなぎってくる。


コンビニの安い食事でも、お金をかけてバランスを考えて食べれば、それだけでも違ってくるというものだ。


まあこれでは安いというメリットがなくなってしまうが、コンビニの商品がどうしても買いたくなった時はそうしてもよいだろう。


最近ご飯が美味しくない……。

丁寧に調理されたものを食べてるはずなのに、なんとなく美味しくない。

そんなときは、鮮度、産地などの品質と、ジャンルを重視するべきだ。


濃くて味のきついものばかり食べていたのならさっぱりとしたジャンルのものを選び、質の悪い食材に飽き飽きしているのなら鮮度を重視するといい。


以上がオオカミの教えとなる。

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