第10話 気まずい
私たちは今年の雪まつりで、幼馴染の男女を作ることになった。
私たちの等身大な雪像を目指して、2人でこれを作ろうか、と決めたんだけど…。
実は、まだ友達なんだよね、雪像も、私たちも。
そんなわけで、私がなりたい関係を描くことはできなかった。
“がんばろう。明日は雪が降るって母ちゃんが言ってた❗️練習する?” 17:00
“うん、雪みたいだね。練習、しよっか。” 17:02
なんだか気分が乗らなかったし、疲れていたからか素っ気ない返事になってしまった。
直くんには申し訳ないけど、多分、文面だけで伝わることはないだろうな。
“なんか、穂乃果疲れてる?” 17:06
え、と思い、慌ててそんなことないよ、と送る。ビックリした。
流石にバレないと思ってたから…………
ていうかあれ…私…この前遠回しに告白したよね…!?いや、ちょっとまって!?
そうだった…私、この前、言っちゃったんだ…。うわわっ!気っまず!
…でも、直くんのことだから、きっと忘れてるか忘れたふりするかしてるよね?きっと。
それにしても、____私は恋をしちゃいけない人に恋しちゃったのかな。
絶対叶わない、成功率0%の恋。それに気づいてしまったということ。
自分が悲しくなるだけなのに、もう7年も、ずーっと好き。
よし、決めた。雪まつり、雪像を作り終わったら、告白しよう。
7年前のこと、あの日のこと。____危機一髪な出来事から生まれた、この恋心の話。
そして、あの時本当は何があったのか話そう。
私は首筋の凹凸に触れながら、そう覚悟した。
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