第8話 雪まつり

もう、こんな時期になったんだな… 気づくと、そう呟いていた。


私たちが住む白保村しらほむらには、冬になると降雪が激しい。それもいわゆる、雪玉を作りやすい雪が降るということで、村の子たちは大喜び。

だけど、小学校六年になるとそう喜んでいられない。


この村には、「白保雪まつり」というお祭りがある。

雪を使い、どれだけクオリティの高い雪像を作れるか競うのだ。小学校六年になると、半強制的に参加させられる。私は毎年優勝するコンビで有名だが、相方は、直くん。今年は、きっと気まずい。


”穂乃果、今年の雪まつりどうする?” 18:03

考えていたら、直くんからLINEが来た。

”優勝目指して頑張るしかないっしょ。直くんはどうするの?”18:04

”オレは穂乃果の相棒だからなぁ、お前が出るなら俺もだな😊” 18:06

相棒っていう言葉の響きが、特別みたいでうれしくなる。


“なんだそれ。変な理由だな、直くんらしくないじゃん。” 18:08

”オレなら、なんて言うと思ったんだよ。言ってみろよww ” 18:10

”え?うーん、会場でもらえるおしるこ…が食べたい!とか。” 18:12

”あ、それも😊。” 18:13


…………やっぱ、直くんて、変わってるなぁ。それでもいい。今年の雪まつりで、絶対に直くんに告白するんだ!


オレ、がんばれよ、雪まつりまで、穂乃果の好きって気持ち、受け取っちゃだめだぞ。男なんだから、そりゃあ思い出に残るとこで告白するのが筋だろ。

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