第7話 嘘と本音

あの帰り道から3日。

私たちは変わらず会話を交わしている。だけどその中には嘘がいくつか淡く残った。

「どうしたんだよ2人とも。直哉も日下部も、なんかいつもよりブッサイクだよ。」

「黙ってて、佐野くん。」

「なんか、ごめん。」

佐野くんには申し訳ないけど、今の私たちの仲は険悪だから仕方ないな、とも思う。


「翔真がいてくれて本当に良かった。」

そりゃあ、私じゃだめでしょうねっ!と頭の中でツッコむ。


あの日、私たちは微妙な空気のまま帰路についた。

ごめんね、なんて何度も呟いて、良いよ、大丈夫って言葉も何度も聞いた。

それでも一緒にいたいと思う私のわがままを、少なくとも直くんは感じ取ってくれたのだろう。こんなカッコいい人、諦められるわけないよな、なんて思いつつ、もう迷惑なんてかけないからね…と自分を諭した。


どうしたら、直くんに好きになってもらえるんだろう。

もし、私が好きだって、あの時、面と向かって言えば良かったのかな。

だけど、もっと無理させてたら………………。

そう思ってしまうから、考えるのもやめて部屋に篭って1人で泣く。


………………………………直くん…。

………………………………穂乃果…。

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