エピローグ

 大崎が去った漫画喫茶のバックヤード。

 金髪こげ茶色の絶滅危惧種ギャル店員は思う。


――さっきの客、えらい満足そうにしてたな。ヌいた感じなかったし、そんなにおもろいゲームなんやろうか。どんなんしてたんやろ……。


 ご法度の利用履歴確認を行い、作品名を覚える。ちょっとの興味だけだから、別にちょっと見るだけだからと自分に言い聞かせる。

 業務中にもかかわらず、ヘッドセットを装着する。


 今まさに、ギャルの女子高生としての性活が始まる。

 シナリオの自由度は無限大。そのへんのオッサンこと大崎誠のエンディングは、「中の上」だった。果たしてギャルは、それよりも良いエンディングを見ることが出来るのか? あるいは、カジノでスりまくったあげく、最終的には黒服に見張られながら豪華客船で命を懸けたギャンブルに興ずることになるのか――乞うご期待!


「……これキャラクターずいぶんコテコテやなあ。アイドル育成ゲームとか見習ったほうがええんちゃうかな? ストーリーもえらい都合がええし、こういうの好きな人もいるかもしれんけど、ちょっとなあ――まあもうちょっとだけやってみるか」


 インターネットカフェ店員の夜は長い。

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女子高生になっちゃって――Hがダメならゲーム感覚で男を落とすしかないでしょっ! 青海老圭一 @blueshrimp

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