第8話

「決めてきたよ、正くんの仕事」


言葉が出なかった。


「そんなの勝手に・・・」

「でも、このままニートというわけにはいかないでしょ?」

「確かに・・・」


アパートも入居がいないし、このままだと貯金も底をつく。


「でも、どんな仕事を」

「イラストの仕事だよ」

「そんなの簡単になれないだろ?」

「大丈夫」


真琴は、僕の描いた漫画の原稿を見せた。


「私の決めた仕事先の人が、この絵を気に入ってPOP画を描いてほしいって」

「POP画?」

「うん。それを見て採用するか決めるって」


まだ本決まりじゃないのね。

そりゃそうだろうな・・・


「で、真琴はどんな仕事を見つけてきた?」

「私?私は読者モデル」

「よく決まったな」

「うん。人間死んだ気になれば、何でもできるよ」

「でも、それとPOP画とどういう関係があるんだ?」


そこが不思議な所だ。


「そこで出す、本の宣伝だよ」


納得しておく。

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