第54話 交差点付近

 そろそろ秋が近い。朝晩は涼しくなってきた。

「よう」

「よっ」

 男性と女性が、橋の上で待ち合わせをしていた。

 コハルと会うアラタ。

 そこへ、ミズチがやってきた。

「行くぞ」

「どうした?」

「来い」

 短い言葉に、アラタは察するものがあったようだ。

「悪い。用事だ」

「もう。また?」

 コハルを置いて、二人はその場を離れた。


 交差点付近は紫色だ。

 すでにイマジン空間が広がっている。

 マモノはいない。

「俺様のカンサ・エイプに勝てると思ってるのか?」

「ここで倒してやるぞ。ゆけ! セプテン!」

 意気込むヒサノリ。

 大剣によるリーチ差をいかして戦っているセプテン。だが、素手のエイプ相手に劣勢。武器を持たない分、エイプは能力が高いのだ。

 そこへ、アラタとミズチがやってきた。

「カンサロウケ・ジャニュ!」

「カンサロウケ・フェブ!」

 迷うことなくカンサロウケを召喚する二人。すぐバトルに入った。

 戦いはどもえ

「ソウオンを狙うべきだろ」

「そうはいかん。お前たちは油断できないからな」

無駄むだだ。いまは戦いに集中しろ」

 そう言われても、アラタには戦いだけに集中し続けることができなかった。

 必死に呼びかけ、協力してソウオンを倒そうと言い続けるアラタ。

 ジャニュは、セプテンからある程度のダメージを受けてしまった。

「うっ」

「ちっ」

 舌打ちするミズチが、カンサロウケ・フェブに指示を出す。エイプを狙った。

「テメェ。許さねェぞ」

 カンサロウケ二体相手では、さすがのエイプも厳しい。

「口ほどにもない」

「ジャマしてたくせに、なんだよ」

 ヒサノリに対して怒るアラタ。ミズチは、何も言わなかった。

 ソウオンは捨て台詞ぜりふをはいて去っていく。

「ロウケさえあれば」

 しかし、まだ戦いは終わっていなかった。

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