第17話 残り十人
とある都会の
ソウオンが、カンサを呼び出す。
「ふッ。カンサ・エイプ」
腕組みをするソウオン。
エイプも腕組みをしていた。ただ、同じ場所に立ち続けている。
何をするわけでもなく、ひたすら時間が過ぎていく。
そして、マモノが発生した。
クモのようなマモノだ。
「社長」
「何も言うな」
ロクロウとササメは、近くにいながら戦おうとはしない。ササメは恐怖していた。ソウオンの強さに。
クモのようなマモノが、次々に発生していく。
右手にカードを持つ女性がやってきた。
「怖がってちゃ、願いはかなわない! カンサ・マーチ!」
ネネが、カンサを呼び出してマモノ退治に乗り出す。
遅れてきたアラタとミズチも、右手にカードを持った。構える。カンサを呼び出して続く。
「カンサ・ジャニュ!」
「カンサ・フェブ!」
ソウオンは、腕組みをして立っているだけ。戦おうとしない。
そのとき、さらにマモノが発生した。カンサが増えたからか姿が変わっている。トンボのようなマモノだ。
「まずは、倒しやすいほうからだ」
「命令するな」
「まあまあ。いまは協力しよう」
アラタたちは、協力してクモのようなマモノの群れに立ち向かう。
「ラストアーツ!」
「よし。ラストアーツ!」
ミズチとアラタは、それぞれラストアーツを放つ。クモのようなマモノを
ネネがほっと息をはき出す。
「まずは一区切りね。カンサが増えると、マモノが強くなるから、残りを早く」
「ゆくぞ。
「はい。社長」
アラタたちの前に、ササメとロクロウが現れた。
「ゆけ。わらわのカンサ・ジュラ!」
「では。カンサ・ジューン!」
まだトンボのようなマモノが残っているのに、二人はアラタたちに攻撃を仕掛けてきた。
「おい、お前! やめろ!」
「お前じゃないわ。わらわは、
「おれは、
ソウオンがやってきて、三人に攻撃を仕掛けた。というよりは、エイプに命令をして、三体に攻撃を仕掛けた。というほうが正しい。ガシャンと音が鳴る。
「さあ、ケリをつけようぜ」
まだ、トンボのようなマモノが残っている。
ここで奥の手だ。ネネがカンサ・マーチを飛ばし、マモノのすぐそばまで迫った。
「ラストアーツよ!」
ピアシングアローで、マモノを撃退するマーチ。大爆発が起こる。
これを好機とみて、二人が攻撃を仕掛ける。
「ここですわ。ラストアーツ!」
「はい。ラストアーツ!」
二体がかりでエイプにラストアーツを放つ、ジュラとジューン。
一点突きとメガトンハンマーがうなる。
しかし、エイプは軽くいなした。逆に、ラストアーツのアルティメットキックを放つ。
「くらえ! ラストアーツ!」
ソウオンの狙いはササメだった。だが、ロクロウがかばう。
「ぐっ」
「
「俺は、一人でなんでもできると証明したかっただけなのに……」
ジューンが消滅し、カードも消えた。
バトルロイヤルの参加者は、現時点で残り十人。
「さあて。次はどいつだ。全員まとめてか?」
ソウオンの狙いどおりにはならなかった。
ほかの全員がカードをしまって、カンサが消えたのだ。去っていくカンサ使いの背中を見ながら、ソウオンが舌打ちしていた。
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