22枚目 Red Blue
この教室ごとふっ飛ばしてやろうかね。
ボンッ!とひと思いに木っ端微塵さ。
ここにある道具や知識を使っちまえば、まあ不可能じゃないね。
薬品や実験道具に囲まれたここの居心地は悪くない。
なのに、なんでこんな物騒な妄想しちまうのかねぇ。
年甲斐も無くイライラしてんのかもね。
タイムリープしてんのかって錯覚しちまうほど、毎日が同じで繰り返しでどうにかなっちまいそうだよ。昼に破壊願望が湧いては夜に必死に抑えて、
右脳が衝動に駆られては左脳で紛らわす。
他の同紙と比べてもアタイは稀有なんだろうね。
無機物のクセに複雑だろ?
一時の感情で破壊しちゃ、一生が粉々になる事も認識できている。
もっとシンプルに考えて生きたいんだがねぇ。
アタイの中には天使と悪魔がいるのかもしれない。
「…ってオェ、クッセェエエエァァアアアッッッッッッ!!!!!」
「リトマス姉さん!」
「ゴホッ…あ、あら…ロッシーじゃない…奇遇ね。」
いつの間にか同じ黒テーブルにいた。
今の今まで気付かなかった、影もガタイも存在感も薄いやつだね。
「大丈夫…ですか!?さっきから、ずっと苦しそうですけど…」
「ばか言うんじゃないよ、アタイは絶好調だよ!」
「そうですか?顔色悪いですよ…熱でもあるんじゃ…」
「なに!?…これが天命なのさ!アタイは液体に漬かると色が変わるの!!」
「ひっ!す、すみません…」
「ったく、不純物取り除くだけの駄紙が…ってックセェッエエエェッ!!!!」
「ロシィイイイイ…!!顔が真っ赤ですよ!!!」
なんだい、さっきからこの黄色い液体は!とんでもなく酸っぱい匂い。
ここらで勘弁してほしいね、こっちだって鼻くらいあるんだから。
それにしたって全身が熱い、そうか。酸性の液体が染み込んでやがるね。
「騒ぐんじゃないよ、大丈夫だかr…ヒャアァァア!!」
「姉さん!!!今度は真っ青です!!」
「フゥ、フゥ…寒い…」
触感的に石鹸水だろうね。ガキはこれだから困るよ、ベタベタ液体に浸けて。
アタイのセクシーボディを弄ぶんじゃあないよ。
「って、スッパクセァアァア!!節操ないのかい!ボウズども!!!キャッキャ喜びやがって!悪魔が!女の子は丁重に扱うもんだってママのお腹の中で学んだろうが!!!燃やすぞゴラッ!!!!!」
「リトマス姉さん…怒り狂ってる…顔真っ赤にして…」
「酢に漬けられたんだよ!!ヒョロガミがっ!!本当にお前は燃えちまいな!」
「ヒッ!!す、すみません!!!」
・罪状:憤怒
・死因:過労死
・来世:折り紙
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます