第37話  アテナ救出作戦4

海上でヘルメスはどう人質を救出するか悩んでいた

当然高速艇が近づけばギリシア神国も艦を出してくる

新兵器がどれだけ出来るのかわからない

俺らが囮なんだよな

引き付けるぞ

「面舵一杯」

「面舵一杯」

アルテミス、アンタレス後は頼んだ


「しかしこの艦は狭いな」

「仕方がありません、しかし速いですな」

「ヘルメスの艦と同等の速さらしいが、海流に乗れば更に速くなるし、しかも敵に見つからないのは凄いな」

「ヘルメスさまが囮となっている間に港を制圧しましょう」

「あぁそうしよう、改良型の三隻はそろそろ攻撃開始時間か、敵もビックリだろうな」

「そうですな、魔物の攻撃かと思うでしょうな、まぁ乗組員は魔物ですが」

「アイチ殿は優しいのか厳しいのかわからんな。艦が沈む事前提に我らが乗っている艦は海の魔物で構成されているのだからな」

「我ら人間には、浮上と暫く空気の輪が作られる魔道具を渡されていますからな」

「アンタレス、収容されそうな場所は特定できているか?」

「はっ、此方にこの二つのどちらか又は両方かと」

「大量の兵を収監するにはか」

「はい」

「妾は此方に行く、アンタレスはそっちを頼む」

「了解です」

「到着まで暫く休もう」

「はっ」



「艦長、ヘルメス艦が囮役成功敵艦追いかけています」

「よし、予定通り後ろから狙うぞ」

「はっ」

「第一、第二発射管開け」

「第一、第二発射官開け」

「準備完了」

「第一、第二発射」

「第一、第二発射」

「命中まで十五秒」

「三、二、一、接触予定時間です」

「当たったとかわからないのが難点だな」

「アイチさま曰くそこまで技術がないし、知識がないって言ってましたね」

「望遠鏡、浮上」

「浮上させます」

「これも魔道具なんだろう?」

「千里眼を元に作ったそうです」

「艦から煙が出ています。命中です」

「三号艦は頭から潰せ、二号艦は中央のでかいのを叩け、我が艦はこのまま後ろからやる」

「「了解」」



遂に始まったな

「よし、とーりかーじ20」

「取り舵二十度」

「艦砲射撃準備ヨーイ」

「第一、第二、第三回頭」

「仰角45度、第二砲打方始め」

「仰角45度あわーせ、第二砲打方始め」

ドーン

「着弾します」

「右後方に着弾」

「仰角37度、一斉打方始め」

「仰角37度、一斉打方始め」

ドーン、ドーン、ドーンと一斉に撃たれる

「着弾、命中しました」

「よし、次行くぞ」



「最後尾の艦から炎上」

「何処からの攻撃だ?」

「わかりません」

「魔物を刺激したのか?」

「わかりません」

「最前艦からも炎上」

「どうなっている、わけがわからん」

「敵艦此方を向きました、発砲して来ます」

「艦対艦なら数が多い方が勝つ、全艦打方始め」

「敵艦の足が早くて狙いが定まりません」

「馬鹿か、下手な鉄砲数撃ちあたるだ。撃って撃って撃ちまくれ」

「第二艦大破」

「第五艦炎上」

「なに?」

ドガーンと艦が大きく揺れた

「どうした」

「艦横被弾海水が入ってきます」

「何が起きてるのだ」

「白旗を掲げよ」

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